市「施設改修は困難」 台風で浸水被害の市民ミュージアム 初の有識者会議

2020年7月29日 06時40分

市民ミュージアムの今後の方針を話し合う委員たち=川崎区で

 昨年十月の台風19号で地下収蔵庫が浸水した川崎市市民ミュージアム(中原区)について、今後のあり方を検討する有識者会議の初会合が二十八日、川崎区の東海道かわさき宿交流館で開かれた。市は現行施設を改修して使い続けることは、予算と強度の面から困難との考えを示した。委員たちからは、収蔵品修復の過程を公開し、災害をテーマとしたミュージアムにすることなどが提案された。
 市によると、ミュージアムの場所は市の洪水ハザードマップで、多摩川が氾濫した際の浸水深が五〜十メートルになると想定されている。十メートルの場合、三階建てのミュージアムの二階まで浸水。地下にある収蔵庫を三階に移すには、床を支えるはりの力が足りず、抜本的な改修が必要という。また、復旧には屋上の防水や外壁の改修など、浸水対策以外にも約二十六億円かかる見込みを明らかにした。
 会合では、委員の大学教授らから「浸水被害を生かさないといけない。災害をテーマに再出発するのは重要だ」「どのように浸水してダメージを受けたか。復旧そのものを新ミュージアムで積極的に見せる考えもある」などの意見が出た。
 有識者会議は、市の諮問機関の市文化芸術振興会議の部会として新たに設置。同会議会長の垣内恵美子・政策研究大学院大学教授が部会長に就いた。来年六月まで計七回の会合を予定し、同会議に方針案を報告する。福田紀彦市長は会議冒頭、「市民に親しまれるものをつくらないといけない。ミュージアムのあるべき姿をご議論いただきたい」とあいさつした。(大平樹)

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