<支え合う 介護保険20年>ケアプランの見直し 情報集め医療者にも相談

2020年7月29日 07時20分
 介護保険で、利用者一人一人が使う介護サービスの内容をまとめた計画書「ケアプラン」。ほとんどの場合、介護支援専門員(ケアマネジャー)が利用者や家族の要望などを聞き、作成するが、要望した内容が反映されない場合、どうしたらいいのか? 本紙に寄せられた相談から考えてみた。 (佐橋大)
 相談を寄せたのは、東海地方の四十代の女性。近くで母と二人暮らしをする七十代の父は数年前に介護が必要な状態になり、現在要介護3。デイサービスや訪問看護などを利用しながら、母と女性が在宅で介護する。最近、食事でよくむせるようになり、のみこむ「嚥下(えんげ)」の機能を高められないかとケアマネに相談。だが、具体的な提案はない。
 ケアプランは、ケアマネが利用者や家族と面談するなどして必要なことを把握し、サービスの内容や回数、料金などをまとめる。利用者の同意で確定したケアプランに沿ってサービスが提供され、状況が変われば、見直せる。気を付けたいのが、ケアマネに任せきりにせず、できるだけ具体的に要望を伝え、利用者の介護や医療にかかわる専門家にも相談することだ。
 「おひとりさまでも最期まで在宅」(築地書館)の著者で、ノンフィクションライターの中沢まゆみさん(71)は「地域にどんな高齢者向けの『食支援』の介護サービスがあるかを調べ、あらためて相談しては」と助言する。
 嚥下機能を向上させる介護サービスには通所リハビリや訪問看護による指導などがある。介護の総合的な相談窓口「地域包括支援センター」やインターネットなどが情報源になり得る。
 嚥下は医療のかかわる分野が大きく、かかりつけ医や訪問診療医、訪問看護師ら医療専門職に相談するのも大切。特に訪問診療医は嚥下の改善に対応している医療機関の情報に詳しい可能性が高い。嚥下の知識が豊富な看護師も多いといい、意見を聞いてケアプランを見直すかを考える。
 看護師、管理栄養士、言語聴覚士らによる「栄養サポートチーム」をつくり、力を入れる病院もあり、相談先になりうる。咀嚼(そしゃく)や嚥下の機能を検査し、訓練に取り組む歯科医師も増えており、歯科医師会の相談窓口があれば、活用したい。
 ケアマネに要望を伝えることを躊躇(ちゅうちょ)する人もいるだろう。高齢者医療や福祉を研究する看護師でケアマネでもある服部万里子さん(73)=東京=は「利用者の声にはケアプランを改善するヒントがある。ケアマネの力は利用者の希望を形にする力であり、希望はしっかり伝えて」と指摘した上で、主治医と訪問看護師をキーパーソンに挙げる。
 主治医は要介護認定時、利用者の状態について意見書を作成。ケアマネは利用者の了解を得て意見書を入手し、ケアプランに反映させている。利用者の医療、介護にかかわる人たちが集う担当者会議もあり「医師や訪問看護師を通じて伝えてもらうこともできる」。
 ケアプランのほかに、汁物や食べ物に適度なとろみをつけてむせにくくしたり、食事の姿勢や口に入れる量を変えたりするなど、家族で改善できることを看護師に聞くのもいい。

◆厚労省でサービス公表

 介護保険で使える身近なサービスを知る方法の一つに、厚生労働省によるインターネットの「介護サービス情報公表システム」がある。現在、介護事業所など約18万件の登録があり、所在地やサービスの種類などで検索できる。より絞り込むには詳細情報の「介護報酬の加算状況」に注目。例えば、在宅介護で、嚥下機能の改善に取り組んでいる事業所を探したい場合、デイサービスや通所リハビリテーションで、「口腔(こうくう)機能向上サービスの実施」の加算を取っていれば、可能性がある。

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