絶滅危機の伝統野菜・沼須ねぎ 復活へ、利根実高生「種まき」 沼田市

2020年7月29日 07時27分

沼須ねぎの種をふるいにかける生徒たち=沼田市の利根実業高で

 沼田市の県立利根実業高校は同市沼須町と周辺地域に伝わる伝統野菜で、絶滅の危機に直面している「沼須ねぎ」の保護・保全に取り組むことになった。市やJA利根沼田と連携し、生徒自ら栽培してイベントなどで販売することで、沼須ねぎをPRすることを目指す。(渡辺隆治)
 沼須ねぎは他のネギと比べて葉が長くとがり、白い部分が長いのが特長。肉質が軟らかく焼いても煮てもおいしいネギとされる。古くから栽培され昭和初期には一大産地を形成したが、病気に弱く栽培に手間がかかるため生産が減少した。
 現在は沼須ねぎ生産者組合に所属する七、八軒の農家が主に家庭菜園向けのネギ苗の生産・販売のみ行っている。市は「ぬまたブランド農産物」に指定し保護を図っているが、農家の高齢化や栽培の難しさのため先細り傾向が続いている。
 利根実高は昨年亡くなった同組合長の星野義治さんが乾燥して保管していたネギぼうず(二十キロ入り米袋十五袋分)を譲り受け、種を採取。九月に同高の菜園に種をまき来年四月にネギ苗として販売する。残しておいた沼須ねぎから採った種を同九月にまき、再び苗を育てるサイクルを繰り返す計画。ネギ苗の生産・販売と別に、食用ネギの生産・販売も予定している。
 同高の野菜温室ハウスで二十二日に行われた採種作業には、生物生産科生物資源コースの二年生二十一人が参加。石久保禎浩校長は「伝統野菜は土地柄や気候などの理由があって地域に根付いた。後世に残す活動に誇りを持って取り組んでほしい」とあいさつ。副組合長の角田泰夫さんが自ら手本を見せつつ指導した。
 生徒たちは枯れたネギぼうずを手で振るなどして黒く小さな種を取り出した。ふるいにかけてごみを取り除いた後、水を入れたバケツに漬け、沈んだ良い種を選んでいった。角田さんによると、十アールの苗床にまく種が取れるという。

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