コロナ下火のニューヨーク 知事「まだ手は抜かない」第2波警戒

2020年7月30日 06時00分
28日、米ニューヨーク市マンハッタンで、屋外席で食事を楽しむ人ら。市内では店内飲食の営業が認められていない

28日、米ニューヨーク市マンハッタンで、屋外席で食事を楽しむ人ら。市内では店内飲食の営業が認められていない

 【ニューヨーク=赤川肇】米国で新型コロナウイルス感染拡大の中心となった東部ニューヨーク州で感染の勢いが衰え、小康状態が続いている。ただ、全米では感染者が急増中で、州当局は州外から押し寄せる「第2波」への警戒とともに、州内に広がる油断ムードの払拭にも追われている。
 新型コロナによる州内の死者は3万2000人以上。4月上旬のピーク時は1日700人以上が死亡したが、6月下旬以降は1日10人前後に。最近の感染検査の陽性率は1%前後と全米最低水準にとどまり、感染者数の累計は既に西部カリフォルニア、南部フロリダの両州が上回っている。
 「われわれニューヨーカーは不可能を可能にした。新型ウイルスに打ち勝った」。ニューヨーク州のクオモ知事はこう繰り返す。公共の場でのマスク着用をいち早く義務化し、経済活動の規制緩和に慎重だった立場から、全米で感染再拡大を招いた「重大な過失」で失敗例として引き合いに出すのが、経済再開を急いだトランプ政権や他州の対応だ。
 クオモ氏は「成し遂げた改善を守らねばならない。手を抜けば、感染の数値は上昇する」と訴える。州政府は実際、客同士の社会的距離を守らなかったりマスクを着けずに接客するなどしたとして、これまでに45の飲食店の酒類免許を停止し、店名も公表。クオモ氏は違反行為が続けば、飲食店全体の営業規制を強化する可能性も示唆する。
 また6月下旬以降、隣接するニュージャージー、コネティカット両州と共同で、新規感染が一定数を超えた州から来る人に14日間の自主隔離を勧告。対象は当初の9州から28日時点で34州まで増え、運用も厳格化している。
 ただ、あおりを食っている人々からは不満も漏れる。いまだに「感染リスクが高い」として店内飲食の営業を禁じられている最大都市ニューヨーク市のレストランやバーもそうだ。
 中心部マンハッタンで居酒屋を営むアレックス・ニコラスさん(41)は屋外営業と配達で店を続けるが、「売り上げは90~95%減った」と明かす。感染対策の必要性を理解しつつも、「なぜ量販店は良くて、飲食店は一律ダメなのか」。連邦政府の融資制度に頼っているが、金額は不十分といい、「このまま長くは存続できない」と終わりの見えない営業規制に不安を募らせる。

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