宮代の環境NPO 水田「ほっつけ」守り20年 「日本水大賞」大臣賞輝く

2020年7月30日 07時34分

活動場所となっているほっつけを紹介する茂木俊二さん=宮代町山崎で

 宮代町で江戸時代にできた堀上田(ほりあげた)と周辺の自然環境を保護しているNPO法人「宮代水と緑のネットワーク」が、活動を始めて二十年目に入った。長年の功績が認められ、六月には国土交通省などが主催する「日本水大賞」で農林水産大臣賞を受賞した。代表の茂木俊二さん(67)は「活動を評価してもらいうれしい。励みになる」と話している。 (寺本康弘)
 町では江戸時代、沼底を掘った土を盛り上げて新田を開発。細長い田んぼと水路が交互にある特徴的な風景をつくっていたという。地元では「ほっつけ」と呼ばれ、現在はわずかに残るだけとなった。
 ネットワークは町の環境基本計画検討委員会の委員だった有志が、二〇〇一年四月に設立。東京へのアクセスのよさから開発が進み、失われてしまう自然環境を守ろうと、活動に乗り出した。
 活動場所の中心は笠原小学校の南側にあるほっつけと周辺。田んぼにはメダカやドジョウ、タニシなど多様な生きものが生息する。無農薬で米作りをするのは、生物多様性を守るため。除草剤も使わない。田植えや稲刈り体験会を開いて多くの人に豊かな環境を知ってもらい、ホタルの乱舞を復活させようと幼虫の飼育や放流活動、観察会もしている。

田植え体験に参加する人たち=2018年、同町で(宮代水と緑のネットワーク提供)

 希少な野草の保護も重要な活動の一つ。ほっつけのあぜには、県の準絶滅危惧に指定されているナガボノシロワレモコウやオグルマが生えている。開発されると聞いて別の場所から移植したチョウジソウやナンバンギセルなどもある。
 順調とはいかないことも。移植しても元あった場所と土や水が変わったことで、根付かず町内で見かけなくなってしまった種類もあった。それでもメンバーは毎月二回、セイタカアワダチソウなど外来種やツル植物を抜くなど地道な作業を続けている。
 中心となるメンバーは現在、三十人ほど。多かったころの半分ほどに減少したが、周辺の自治体からも関心の高い人が活動に加わり、支えてくれている。茂木さんは「もともと人の手が加わって守られてきた環境なので、活動を継続していかないと消滅してしまう。受賞をきっかけに理解が広がり、協力してくれる人が増えてくれたら」と話している。

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