米議会公聴会で「GAFA」の独占禁止法問題を調査 4社トップそろっての証言は初

2020年7月30日 12時11分
29日に開かれた米議会下院の公聴会にオンラインで出席したGAFA首脳の映像。左上から時計回りにグーグルのピチャイCEO、アップルのクックCEO、フェイスブックのザッカーバーグCEO、アマゾンのベゾスCEO=共同

29日に開かれた米議会下院の公聴会にオンラインで出席したGAFA首脳の映像。左上から時計回りにグーグルのピチャイCEO、アップルのクックCEO、フェイスブックのザッカーバーグCEO、アマゾンのベゾスCEO=共同

  • 29日に開かれた米議会下院の公聴会にオンラインで出席したGAFA首脳の映像。左上から時計回りにグーグルのピチャイCEO、アップルのクックCEO、フェイスブックのザッカーバーグCEO、アマゾンのベゾスCEO=共同
 【ワシントン=白石亘】米議会は29日、グーグルなど「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業の経営トップが証言する公聴会を開いた。健全な競争をゆがめた反トラスト法(独占禁止法)に関する調査の一環で世界で最も強力なハイテク企業4社の首脳がそろって議会証言するのは初めて。
 下院反トラスト小委員会で証言した最高経営責任者(CEO)は、グーグルのスンダー・ピチャイ氏、アップルのティム・クック氏ら。ウイルス対策のためビデオ会議形式で行われた。
 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏は、2012年の動画共有アプリ「インスタグラム」の買収を追及された。同氏が当時、送信した「われわれの大きな脅威になるだろう」との社内メールを基に「将来のライバルの力をそぐための買収だ」と問われると、「ライバルは他にもいたし、インスタが成功する保証もなかった」と釈明した。
 初の議会証言に臨んだアマゾン・コムのジェフ・ベゾス氏は、同社のネット通販に出店する外部業者の販売データを使い、競合する自社ブランド製品を開発していたとする報道の真偽について「慎重に調査を続けている」と明言を避けた。
 約5時間の公聴会の締めくくりにシシリン委員長は「これらの企業が独占的な力を持つことが明らかになった。一部は企業分割を行うなど、適切な規制が必要だ」との認識を示した。
 これで1年に及ぶ議会の調査は終わり、近く独禁法の改正を盛り込んだ報告書をまとめる見込み。これとは別に、司法省が今夏にもグーグルを独禁法違反で提訴する公算が大きいと報じられるなど、「GAFA包囲網」が狭まりつつある。

◆民主主義を脅かすGAFAの力

<解説> 米議会が公聴会を開いた「GAFA」の株式時価総額を合計すると、5兆ドル(約520兆円)近くとなり、日本の国内総生産(GDP)と肩を並べる規模だ。それでも規制を受けずに「ハイテクの巨人」に成長した。
 米国の反トラスト法(独占禁止法)は高い市場シェアをテコに消費者に値上げを強いていないかで主に運用されてきたためだ。グーグルは検索、フェイスブック(FB)は会員制交流サイト(SNS)で高いシェアを持つが、いずれも無料で使える。利用者から集めたデータから好みを予測し、ターゲットを絞った広告を企業に売り、高収益を誇るからだ。
 だが公聴会で下院反トラスト小委員会のシシリン委員長は「彼らは力が強すぎる。経済だけでなく、民主主義にも大きな影響を与える」と懸念した。SNSは陰謀説など誤った情報を拡散させ、米社会の分断の一因となった。グーグルやFBはデジタル広告の収入を独占し、米国では15年間で4分の1の新聞が消え、選挙などの情報が入手できない地域が増えた。アマゾン・コムは米ネット通販の4割近くを握り、地域の中小小売りの廃業が相次ぐ。
 スマートフォンを通じて、人々に情報や娯楽、商品を届ける流通の要となり、「デジタル時代のインフラ」となったGAFA。社会全体に与える影響を点検し、時代遅れの独禁法を見直す必要がある。それは日本にも当てはまる課題だろう。 (ワシントン・白石亘)

 GAFA(ガーファ) 米国に本社を置くグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コムの巨大企業4社の頭文字を並べた言葉。インターネットサービスの基盤(プラットフォーム)を提供。検索エンジンやオンライン広告、通販、SNS、アプリ販売で強い競争力を持ち、米企業の株式時価総額ランキングの上位を占める。市場支配力や個人データの収集が問題視されている。 (共同)

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