給与を担保に現金貸し付け「給与ファクタリング」で業者を逮捕 摘発は全国初

2020年7月30日 11時44分
 給与を担保に高額な手数料で現金を貸し付ける新手のヤミ金を営んだとして、大阪府警は29日、貸金業法違反(無登録営業)の疑いで、自称会社員岩田俊一容疑者(29)=山形市成沢西2=ら男女4人を逮捕した。「給与ファクタリング」と呼ばれる手口で、摘発は全国初。
 給与ファクタリングは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で困窮する人を中心に利用者が急増。実態は法外な利息を求める業者が多く、金融庁などが警戒を呼び掛けていた。
 捜査関係者によると、岩田容疑者らは「ブラックの方でも即日資金調達が可能」「融資ではないので利息なし」などと会社が運営する店のホームページで宣伝していた。利用者の中には「コロナで勤務時間が減り、給料が激減したので手を付けてしまった」と話す人もいた。
 府警によると、岩田容疑者らは東京・赤坂で「プライベートファクタリング」や「D―ライン」の屋号で営業していた店従業員とみられる。両店の口座には3月上旬~6月下旬の間に、全国約2800人から計約1億1800万円の入金があった。いずれも利用者から返済された金とみられる。
 逮捕容疑は共謀し今年3~6月、国や東京都に貸金業の登録をせず、兵庫県の契約社員の40代男性と、新潟県の土木作業員の20代男性に計20万円を貸し付けたとされる。金利を年利換算すると、法定金利(上限15~20%)を大幅に超える年630~1620%となるため、府警は出資法違反(超高金利)容疑でも調べる。

 給与ファクタリング 勤務先からの将来の給与を業者が債権として買い取り、手数料を引いた現金を渡す仕組み。利用者は給与日後、受け取った額に手数料を加えて債権を買い戻す。手数料を年利に換算すると法外な金利となり、信用情報に問題がある「ブラックリスト」に載っている人でも融資可能などと宣伝し客を集めた結果、返済苦に陥る利用者が急増し社会問題化した。事態を重く見た金融庁は3月、「貸金業に当たる」との解釈を示した。違法性を指摘する司法判断も出たことから、全国で利用者が業者に返還を求める訴訟を起こすなどしている。

(共同)

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