李登輝・元台湾総統が死去 97歳「台湾民主化の父」

2020年7月30日 21時58分

2000年5月、台湾総統に陳水扁氏(右)が就任。手を振って国民に別れのあいさつをする李登輝前総統=台北の台湾総統府前で(共同)

 【台北=迫田勝敏】台湾初の民選総統となり、「台湾民主化の父」と呼ばれる李登輝りとうき元総統が30日、死去した。97歳だった。入院していた病院が発表した。今年に入って体調を崩し、半年ほど入院生活を続けていた。
 日本統治時代の1923年、台北県生まれ。日本時代は岩里政男いわさとまさおという名前を使用。京都帝国大に学び、学徒出陣も経験した。
 71年に国民党入党。台北市長、台湾省主席などを経て、88年、総統に就任。戦前から台湾に住む「本省人」としては最初の総統となった 以後、本格的な民主化に着手。43年間続いた戒厳体制を最終的に終わらせ、憲法改正や終身議員の退職、立法院(議会)改選、総統の住民直接選挙の導入などを次々に進めた。
 外交面では「中華民国(台湾)は中国全土の正統政権」という建前から転換し「現実外交」を展開した。台湾と中国を特殊な国と国の関係とした「二国論」を提起。中国は李氏を「台湾独立派」の中心人物とみなし、さまざまな圧力をかけた。
 とりわけ96年、住民直接選挙となった総統選に立候補した際は、中国軍が台湾海峡でミサイル演習を行ったのに対し、米軍が空母2隻を急派し、一触即発の事態にもなった。
 総統職と国民党主席の退任後は台湾独立の立場を鮮明にし、政党「台湾団結連盟」を自ら中心となって結成。台湾独立運動に影響を与えた。
 蔡英文総統は30日、李氏の死去に「最も深い哀悼」を表明し、総統府など関係部門に対し、葬儀などで李氏の家族を全力で支援するよう指示した。

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