世代や国籍超え交流の拠点に 常総のカフェ本格始動

2020年7月31日 07時46分

旧診療所を改修したカフェ=いずれも常総市水海道橋本町で

 常総市で二〇一五年九月、鬼怒川が氾濫した水害で空き家になった市内の旧診療所がカフェに生まれ変わり、本格的にオープンした。被災者支援に取り組むNPO法人「茨城NPOセンター・コモンズ」が三年がかりで改修し、多国籍の子ども向けの保育園や学童保育も併設されている。「えんがわハウス」と名付けられ、住民の交流拠点の役割が期待されている。 (宮本隆康)
 この旧診療所は、常総市水海道橋本町の片野医院。約千二百平方メートルの敷地に診療棟、築百年の母屋、増築棟の三棟が立つ。水害による浸水で閉院し、空き家になった。
 周辺ではレストランや住宅が解体され、人口が流出した。地域の活力が失われる中、コモンズの横田能洋代表(52)は一六年、「ここを住民が集まれる拠点にして、地域を再生しよう」と思い立った。
 土地購入と改修の費用は五千万円以上。高齢者らの交流施設の整備事業として国や県の補助金約二千万円を活用した。さらに寄付を募ったところ、約二百五十の個人と団体から計一千万円以上が集まった。残りの約二千万円は金融機関から借りた。費用を抑えようと、住民やボランティアが改修作業を手伝った。
 「えんがわカフェ」は診療棟を再生し、一九年十月、週三日間の昼のみの営業で試験的に開店。しかし、新型コロナウイルスの影響で今年三月から六月まで休業を強いられた。
 営業を再開した七月一日からは、火曜から金曜の週四日、午前九時半から午後六時まで開店している。住民が手伝いに訪れ、日系ブラジル人女性がブラジル料理を提供する日もある。
 カフェに先立ち、増築棟で一八年四月、市内に多く住む外国人の子どもたちも預かる多文化の保育園が開園。庭に面した母屋の多目的スペースでは学童保育も運営されている。
 八月には、寄贈された本で母屋に図書室も開設する予定。横田さんは「高齢者や子どものほか、学校帰りの高校生らにカフェに寄ってもらうなど、世代や国籍を超えて交流できる場にしたい」と話している。
 コモンズは、改修費用の寄付を呼びかけている。問い合わせなどは、現地事務所の「たすけあいセンターJUNTOS」=電0297(44)4281=へ。

母屋の改修作業をするボランティアら=2016年12月


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