東京の医療現場に緊張走る 「一気に増えれば引き受けられない」 感染最多を連日更新

2020年7月31日 21時35分
 東京都内で31日、新型コロナウイルスの新規感染者が463人に達し、2日連続で過去最多を更新した。重症者は今のところ20人程度の水準にとどまるものの、感染者の総数が増えれば重症者も増える恐れがあり、医療関係者は危機感を強めている。(松尾博史、藤川大樹、原昌志)
 「1日当たりの新規感染者数の漸増が長期継続し、収束の兆しが見えない中、医療従事者の緊張は続いている」
 30日に開かれた都内感染状況を分析する都のモニタリング会議で、都医師会の猪口正孝副会長が訴えた。都内の新規感染者は7月に入って急増。1月に初めて感染者が確認されて以降の総数12691人のうち、半数を7月の1カ月間で占める。入院者数も7月24日に1000人を超え、その後も上下しながら徐々に増えている。
 猪口氏はこうした傾向を踏まえ、「重症者増は新規感染者の増加からしばらく遅れて生じる。重症者の増加は他の疾患の治療体制を圧迫する」と指摘。30日時点では、都が確保している重症病床100床に対し重症者は22人であることから、「まだ収まっている」としながらも、「一気に増えてくると相当危険な状態だ」と強い懸念を示した。
 重症者は31日は16人となったが、予断を許さない状況が続く。
 医療現場の警戒感も高まっている。杉並区の河北総合病院は「第1波」の4月、道路を隔てた別棟の分院などに計38床の新型コロナ専用病床を用意。その後、新型コロナの入院患者が減り、6月におよそ半数を一般病床に戻した。
 しかし同月30日に都から、受け入れ態勢を強化するよう要請があり、7月20日から再度、36床に拡張。30日現在、21人の陽性患者と2人の疑い患者が入院している。
 同病院を運営する河北医療財団の河北博文理事長は「現在は軽症者でも受け入れているが、このまま感染者が増えていけば、今後は引き受けられなくなるだろう」と話す。
 感染拡大の歯止めについて、都医師会の尾崎治夫会長はエピセンター(感染震源地)の封じ込めの必要性を強調する。30日の記者会見では、東京以外の地域でも連日、100~200人超の新規感染者が出ている状況を「愛知、大阪などでも夜の街中心にエピセンター化が進んでいるのではないか」と指摘した。
 尾崎氏はそのうえで、「法的拘束力のある休業要請に休業補償を付け、全国でエピセンター化しているすべての地域で一斉に対応を進める。それが火種を消す唯一の方法ではないか」と訴えた。

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