<法律お助け隊 坂本雅弥弁護士>マンション隣人の騒音で睡眠障害

2020年8月1日 07時08分
<お悩み> マンションで一人暮らししていますが、隣室の騒音に悩まされています。隣の住人は半年前に越してきて以来、深夜に長時間音楽をかけたり、大声で談笑したりします。このため睡眠障害になり、通院中です。一度、静かにするよう注意しましたが、本人に騒音を出している自覚がなく、聞き入れてもらえません。どうしたらいいでしょうか。 (東京・男性30歳)

◆円満解決へ調停も有効

<お答え> マンションの騒音は近隣トラブルとしてよくある問題ですが、不快な音だからといってただちに違法にはなりません。違法な騒音とされるのは、社会生活を営む上で我慢するべき限度(受忍限度)を超えた場合に限られます。
 相談者の場合、不眠で通院せざるを得ず、受忍限度を超えている可能性はあります。隣人が注意を聞き入れないなら、貸主(大家)に相談しましょう。
 賃貸借契約上、貸主には借り主(住民)が平穏に居住できるよう、住環境を整える義務があると考えられます。このため、受忍限度を超える騒音がありながら、貸主が対応しないのは損害賠償責任に問われる可能性があります。事前に騒音を録音などしておくとより実態を伝えられます。
 一方、住民には近隣に迷惑を掛けないことが求められます。違反すると契約が解除されることを賃貸借契約で規定している場合もあります。規定がなくても、他の住民の受忍限度を超える迷惑を掛けた場合、契約上の信頼関係が崩れたとして退去を求められることもあり得ます。
 貸主が注意しても改善しない場合は、民事調停に持ち込みましょう。民事調停は、一般市民から選ばれた調停委員と裁判官が、当事者双方から意見を聞き、非公開の話し合いで解決を図る方法です。
 法廷で双方が争う訴訟と違って、円満解決を目的としており、今後もご近所関係を続ける上で有効です。訴訟より手続きも簡単で、早期に解決する可能性もあります。調停での取り決めに拘束力はありませんが、「午後七時以降は音量を下げる」など柔軟な合意事項を定めやすいのも特徴です。

関連キーワード

PR情報

悩みの小部屋の新着

記事一覧