<食卓ものがたり>かき氷器 お好きな食感自由自在

2020年8月1日 07時12分

昔ながらの手動でかき氷を作るドウシシャの川出洋司さん=東京都品川区で

 取っ手を回すとサラサラと軽やかな音を奏でる。一番薄く削れるように刃を調節した手動のかき氷器。パウダースノーのような氷が器に落ちてきて、きれいな円すいを作る。ひとさじ口に入れると、ふわふわの氷が舌の上で優しく溶けた。
 「刃の高さを微調整できるので、食感を自由に選べるんです」。かき氷器担当の川出洋司(ようじ)さん(42)が、ねじを回すと上下にスライドする刃を見せてくれた。
 生活関連用品の企画開発・販売を行うドウシシャ(本社・大阪)が開発した。一九七四年に商社として創業。八〇年代にモノづくりを始め、「ニッチ(隙間)狙い」の商品で知られる。かき氷器は九〇年代半ばから生産している。「お祭りのかき氷が家で作れると喜ばれる」とファミリー層向けにシンプルな手回し式を売り出した。
 追い風になったのは二〇一〇年代のかき氷ブーム。口溶け滑らかな天然氷を使った専門店や、マンゴー味など台湾発の「味付け氷」が注目された。再び「お店の味を家でも」との声が強まり、刃の高さでシャリシャリからフワフワまで食感を選べる手動の商品を一三年に開発した。
 「刃の高さを調節する仕組み作りには苦労した」と川出さん。動く部品を増やしすぎると故障につながりかねない。使い手目線で、単純な構造で操作しやすい仕組みを実現させた。
 この仕組みは一六年に発売した電動の新商品にも採用。果物や野菜をピューレ状にした氷も削れるのが特徴だ。マンゴーのような繊維質が多めの果物は薄めに削るなど、素材で異なる硬さに対応できる。電動タイプはこれまでに七十万台も売れ、主力商品に育った。
 川出さんは「『おいしい』を追求するために、食感の研究と削れる氷の種類を増やすことに力を注いできた」と話す。そのかき氷器は、本格的な味を求める大人の心もつかんでいる。
文・今川綾音/写真・木口慎子 

◆味わう

 調節可能な刃で氷の食感を変えられる「手動ふわ雪かき氷器」(写真(上)、4378円)、冷凍フルーツや味付け氷も削れる「電動ふわふわとろ雪かき氷器」(同(下)、6578円)は、家電量販店やホームセンターで買える。「味付け氷」を削れるタイプは、みじん切りしたトマトやバジルをトマトジュースと凍らせて削ってパスタにかける「冷製トマトバジルかき氷パスタ」や、めんつゆ・水・ラー油を同様にする「辛味たれ氷混ぜ蕎麦(そば)」など、工夫次第で料理にも応用できる。問い合わせは、同社お客様相談室=電(0120)104481=へ。

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