足利市「中橋」架け替え 3連アーチ橋 残った

2020年8月1日 07時39分

中橋架け替えのイメージ案(渡良瀬川中橋架替に関する連絡協議会提供)

 水防上の深刻な課題を抱える足利市の三連アーチ橋「中橋」の架け替え問題を検討する国、県、市の連絡協議会が三十一日開かれ、新橋建設の基本方針を合意、公表した。新橋は現橋と同位置で橋桁を五メートル高く設置し、欠落堤防を補強する。現橋は、下流側に数メートル移動して歩道・自転車専用橋として再利用する。二〇二二年ごろ着工し、工期は五、六年を見込む。国と県負担の総事業費は約百十億円。 (梅村武史)
 協議会後の合同記者会見で和泉聡市長は「懸案の水害対策ができ、市民のアイデンティティーである三連橋も残る。夢のある架け替え方針」と胸を張った。
 公開された基本方針では、新橋は両岸の堤防を越える形で設置され、幅員は二十メートル前後と現在の二倍に拡大する。新橋建設に先立ち、下流側に新しい橋脚を設置して現橋上部をジャッキアップして移動させる。
 二年程度を費やして周辺住民の理解を得て、着工する方針。車道用の仮橋は作らず、工事期間中、東西の田中橋、渡良瀬橋への迂(う)回を利用者に案内する。
 地元、通二丁目自治会の鈴木誠二会長(74)は「水害の不安がなくなるのはうれしいこと。ただ、地域の利便性がそこなわれないよう要望していく」と話した。
 今の中橋は、南北進入口が渡良瀬川の堤防を二〜三メートル削って設置され、大雨時に氾濫の危険性がある。昨年の台風19号の際は市職員らが両進入口に土のうを積んで対応した。上流ダムの緊急放流が実施されていれば、中心市街地が水没し、三百人を超す市民が犠牲になったカスリーン台風(一九四七年九月十五日)に匹敵する被害も予想された。
 架け替えは、鬼怒川が氾濫した二〇一五年九月の関東・東北水害などを受け、国、県、市は一六年七月から、検討を重ねてきた。
<中橋> 完成は二・二六事件があった1936年。橋長295メートル。渡良瀬川の堤防かさ上げ時に取り残され、南北の進入口は堤防より2〜3メートル低い。老朽化も深刻で国は重要水防箇所として危険度Aランクに指定している。

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