スペースバルーン 共生への願い届け 大学生らネットで資金調達

2020年8月2日 06時00分

「スペースバルーン」の機体の開発作業を進める学生ら(実行委員会提供)

 新型コロナウイルスの影響で分断が進む世界に共生への思いを発信したい―。そんな願いを込め、関東地方の学生らが、宇宙に大型の風船「スペースバルーン」を打ち上げる計画を進め、資金調達のためクラウドファンディング(CF)を始めた。共生の象徴として機体部分に火をともし、その炎越しに地球の映像撮影を試みる。(太田理英子)

◆炎越しに地球の映像

 「Earth Light Project(アース・ライト・プロジェクト)」と名付け、東京五輪・パラリンピックの関連イベントに関わってきた学生らが中心となって計画。大会延期を受け、オリンピック憲章での国際協調の理念を別の形で発信しようと、風船の打ち上げを思い付いた。大学生を中心とする30代以下の若者118人が参加し、機械工学の専門家や技術者の協力を得て準備を進めている。

「スペースバルーン」のイメージ図(Earth Light Project 実行委員会提供)

 炎を燃焼させるためのガラス管、カメラやガスボンベを搭載した機体をヘリウムを入れたゴム風船につり下げ、沖縄県の宮古島から打ち上げる。ガラス管の中で燃える炎と地球の映像を動画で撮影する。直径3~4メートルのゴム風船は高度3万~4万8000メートルに達した後に膨張して破裂する計算で、機体は海上に落下した後に回収する。打ち上げは来年5月上旬を予定。撮影した映像や画像は、国際機関などに発信することを検討している。

◆寄付募集9月16日まで

 現在、千葉大機械工学研究室で、同大と東大、日本大の学生らが機体を開発中で、試作段階では縦横70センチ、高さ50センチほど。気圧や温度の低さ、揺れの激しさなど課題があるといい、試作品での実験を重ねている。来年2月には本番用の機体製作を始める。
 プロジェクト実行委員会によると、打ち上げや研究開発の費用は総額約750万円になる見込みで、9月16日までCFで寄付を募る。CF運営サイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で同プロジェクトを検索する。
 計画には、宇宙飛行士の山崎直子さん、競泳元日本代表の小坂悠真さんらもサポーターとして加わる。

◆連帯へのムーブメント

 7月21日にオンラインで開かれたプロジェクトの発表会で、山崎さんは米国などで広がる黒人差別反対運動に言及し、「世代や人種、宗教などの分断を超えてつながろうという思いが広がるきっかけに」とプロジェクトへの期待を語った。
 実行委代表の千葉大大学院生都築則彦さん(25)は「宇宙という多くの人と共有できる夢が日本中、世界中の若者を引きつけ、連帯へ向かうムーブメントになるよう頑張りたい」と意気込んだ。

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