臨時国会要求 首相は召集に応じよ

2020年8月2日 07時39分

 野党四党などが憲法五三条に基づいて臨時国会召集を求めた。通常国会閉会後、新型コロナ感染が再拡大し、豪雨災害も相次ぐ。山積する課題に対応するため、安倍晋三首相は召集に応じるべきだ。
 六月十七日に通常国会が閉会してから一カ月以上がたった。この間、新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず、感染確認者は連日千二百人を超えている。危機的な状況に、感染拡大を防ぐための必要な法整備を急ぐよう求める声が相次ぐのは当然だろう。
 四十七都道府県知事で構成する全国知事会は七月十九日、休業要請に従わない業者への罰則規定や国による補償金の制度化などを求める緊急提言を政府に提出した。
 また東京都医師会の尾崎治夫会長は同月三十日の記者会見で、国が金銭的な補償を行う休業要請を行い、応じない場合は罰則を適用できるよう、新型コロナに対応する特別措置法の改正を主張した。
 罰則が本当に感染症対策の効果を高めるのか否かは慎重に見極めねばならないが、だからこそ国会を開いて議論する必要がある。
 臨時国会の召集要求は、感染症対策の最前線に立つ人々の切実な声に裏打ちされたものでもある。
 憲法五三条は、臨時国会について「(衆参)いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と定める。
 しかし、安倍内閣は過去二回、要求を無視。二〇一五年は召集せず、一七年は要求を三カ月以上放置し、召集日に衆院を解散した。
 一七年を巡る違憲訴訟の地裁判決は、五三条に基づく国会召集を「憲法上明文をもって規定された法的義務である」と認定したが、安倍内閣には今回も、召集する考えは今のところないようだ。
 この内閣はなぜこれほどまでに国会召集に後ろ向きなのか。国会を軽んじ、議員を国会に送り出した国民と謙虚に向き合う誠実さに欠けているとしか思えない。
 首相は通常国会閉会翌日の六月十八日に記者会見した後、会見を開いていない。国会での閉会中審査にも出席せず、説明責任を果たしているとは言い難い。
 感染の拡大防止に向けた政府の対策が必要とされるにもかかわらず、行政府の長たる首相の存在が全く見えないのは異常な事態だ。
 首相や閣僚、そして与党議員は態度を改め、国会を召集して新型コロナ対策を議論し、有効な対策を打つべきだ。これ以上、国民に背を向けることは許されない。 

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