<新型コロナ 区長に聞く>「検査は可能だ」と展望を示す 世田谷・保坂展人さん

2020年8月3日 12時54分

「成功した都市の事例に学びたい」と保坂展人さん=世田谷区役所で

 新型コロナウイルス対策で一日に数千件と、今よりも一ケタ多いPCR検査を目指し、検討を始めた世田谷区。区内の感染者は1038人(1日時点)で、23区では新宿区に次いで多く、対策が注目される。保坂展人区長に話を聞いた。 (岩岡千景)
 −区内の感染状況をどうみているか。
 感染が広がり始めた三月は、帰国者が発火点だったが、七月に入ると、接待を伴う都心の飲食店で感染した二十代、三十代が目立ち、その家族や介護施設、保育園などに広がり始めた。
 日ごとの感染者数は、四月七日に緊急事態宣言が出た後の三十四人が最高だったが、このところ、それを上回っている。感染の流れが大きく変わってきた。
 −最近は一日の検査が三百を超える日がある。
 今、医師からの紹介があって検査を断るケースは出ていない。そうした体制ができたのは、検査を待たねばならない事態が区でも起きたからだ。相談したその日に検査できるよう、四月から区医師会の協力でPCR検査センターを立ち上げた。検査が、このセンターと保健所、帰国者・接触者外来(医療機関)の三つの流れでできるようになり、維持してきた。
 −さらなる検査拡大を打ち出したが。
 検査拡大は現に迫られている。厚生労働省も方針転換し、感染が出た施設や集団は濃厚接触がなくても検査するようになった。
 大きい施設では対象は百数十人になり、それが数カ所になれば現体制でも間に合わない。
 −目指す件数は。
 近く五百件を目指すが、有識者会合で東大先端科学技術研究センターの児玉龍彦名誉教授(分子生物学、内科学)から、思い切った拡大をする「世田谷モデル」が提案された。
 −どんなモデルを考えているのか。
 「誰でも いつでも 何度でも」検査できるシステムで、実現している米ニューヨーク州では、感染者数が減少し死者数ゼロの日も出ている。その中で医療や介護、保育関係者ら、社会機能の維持に必要な職業の人らに定期的に検査していく。
 −準備状況は。
 運営体制や制度設計を考え始めている。ツイッターなどでは予想外の反響も広がっている。小池百合子都知事や安倍晋三首相も検査を増やしたいと言っており、協力、支援を求めていく。
 −国内では全般的に検査が広がりを見せていない。その理由をどうみるか。
 従来の保健所中心の感染症対策では手に負える状況ではなくなっているからで、保健所の外側に大量の検査をできる体制をつくる政策転換が必要。具体策が進まず、絶望感や失望感が社会に渦を巻いている。住民が安心できる地域社会を実現していく。やってみせることで「検査は可能だ」と展望を示したい。

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