高校野球 県独自大会が開幕 優勝目指し158チーム熱戦

2020年8月3日 07時18分

空席が目立つ球場で熱戦を繰り広げる選手たち

 新型コロナウイルスの影響で中止になった全国高校野球選手権千葉大会に代わる独自大会「2020年夏季県高校野球大会」が二日、感染防止策が徹底される異例の雰囲気の中、開幕した。 (山口登史)
 158チーム(166校)が春・秋大会と同じ区割りで行われる地区トーナメントと、各1位通過チームによる決勝トーナメントで優勝を競う大会。感染防止策の一環で、開会式は行われず、この日は4球場で8試合が行われた。

試合後にスタンドを消毒する保護者たち=いずれも青葉の森野球場で

 スタンドでは吹奏楽部の演奏はなく、球場には選手の掛け声や打球音、ボールがミットに収まる音が響き、攻守で好プレーが見られるたびに大きな拍手を送った。試合前後の整列時も、選手らは間隔を空け、「お願いします」「ありがとうございました」などの掛け声はなかった。試合後はベンチやスタンドなどの消毒が行われた。

◆磯辺 卒業生らの支えに感謝

磯辺−千葉南 5回表に勝ち越しの3点本塁打を放つ磯辺の鵜沢達弥選手

 新型コロナウイルスの影響で、甲子園という大きな目標がない中、始まった高校野球の県独自大会。満足な練習ができない環境で、球児たちはそれぞれの思いを胸に熱戦を繰り広げた。
 今夏、学校最高成績の4回戦突破を掲げる磯辺は、臨時休校に伴い部活動が禁止され、選手たちは自宅周辺での素振りやキャッチボールなどの自主練習に限られた。
 「甲子園がなくなり、気持ちは落ち込んだが、悔しさを力に変えようと考え直した」と白井知生(ともき)主将(3年)。全体練習ができない時期に、スマホのアプリで互いの課題を共有。部活動再開後も練習ではバットやボールなどの消毒に追われるなど面倒な作業も増えた。1年生の入部が遅れ、2、3年16人では人数不足で紅白戦もできなかったが、卒業生らのサポートも受けて、実戦感覚を磨いた。
 そうして迎えたこの日の試合で、2本の本塁打を放って活躍したのが鵜沢達弥選手(3年)。野球を始めた小学1年から試合には欠かさずに応援に来てくれた母・香織さんを昨年十一月に亡くした。今年九月には消防士の試験を控え、高校生活の集大成として臨んだ。「苦しい時にも支えてくれた親や先輩、チームメートに貢献できてうれしい」と笑顔を見せた。
 12−3の七回コールドで千葉南を下し、松本徳浩監督(36)は「選手たちの気持ちは計り知れないが、ここまでよくやってくれた」とたたえた。父母の会会長を務める安川恒一さん(53)は「選手たちは何かと大変な思いをしてきたと思う。野球ができる喜びをかみしめてほしい」と話した。 (山口登史)

◆後輩ら拍手でエール

 今大会の規程で、スタンドでは、ベンチ登録外の部員や3年生の保護者たちが熱戦を繰り広げる球児たちに拍手でエールを送った。
 県高野連は、感染防止策の一環で吹奏楽部の演奏や横断幕を持ち込みなどは禁止。登録外の野球部員や保護者らはマスクを着けた上で拍手での応援を求めている。
 青葉の森野球場では、選手たちの掛け声、打球音、ボールがミットに収まる音などが響いた。第1試合で千葉南と対戦した磯辺の西沢怜汰さん(1年)は「声を出せずにもどかしいけれど、先輩たちには頑張ってほしい」と好機に懸命に手をたたいていた。
 同球場の第2試合で千葉と対戦した若松・小芝航生選手(3年)の父親の弘之さん(47)は元高校球児。「感染抑止のために仕方ないが、吹奏楽の演奏の中でプレーさせてあげたかった」と親心をのぞかせた。 (山口登史)

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