お盆の帰省、安全?危険? 閣僚の発言に食い違い

2020年8月4日 05時50分
 新型コロナウイルスの感染が全国に再拡大する中、お盆休みの帰省を巡る閣僚の発言が食い違い、政府として感染リスクが高まるとして自粛を求めているのか、安全だとして都道府県をまたいだ移動を勧めているのか分かりにくい状況となっている。地方の知事からは、観光支援事業「Go To トラベル」との整合性を問う声も上がる。政府は感染防止策と社会経済活動を「両立」させる方針だが、新型コロナを巡る対応のちぐはぐさは隠せないでいる。(村上一樹、井上峻輔)

◆感染防止と経済活動「両立」というけれど…

 菅義偉すがよしひで官房長官は3日の記者会見で、お盆の帰省に関し「国として県をまたぐ移動を一律に控えてほしいと言っているわけではない」と説明し、「Go To トラベル」を継続する考えを強調した。
 だが、西村康稔経済再生担当相は2日の記者会見で「実家にお年寄りがいるケースもあるので、慎重に考えないといけない」と指摘。3日の会見でも、帰省して高齢の祖父母が孫と過ごすことによる感染リスクを「注意してもらわないといけない」と説明した。
 政府は今週中に有識者からなるコロナ対策分科会で、帰省に関する注意事項や対策について意見を聴く方針。西村氏の発言は「お盆の帰省を制限するとか、しないとか方向性を申し上げたものではない」(菅氏)というのが政府の立場だ。
 しかし、西村氏の「慎重に」発言は、感染リスクを減らすことに重きを置いたもので、政府内でも説明が分かれているように聞こえる。共産党の小池晃書記局長は3日の記者会見で「国民は一体、何を政府の方針だと理解すればいいのか。毎日言っていることが変わり、大臣によって言うことが違う」と批判した。

◆大阪府知事「GoToやめるべきでは」

 お盆の帰省を巡っては、各地の知事からも発言が相次いだ。愛知県の大村秀章知事は3日、高齢の家族がいる故郷への帰省自粛を呼び掛ける意向を示した。一方、大阪府の吉村洋文知事は「行政が『自粛してください』と言うようなことじゃない。そこまで言うなら、Go To キャンペーンをやめるべきではないか」と述べた。
 「Go To トラベル」を巡っては、共同通信社の7月の全国電話世論調査で「全面延期すべきだった」との回答が62.7%に上ったのに対し、「予定通り実施すべきだった」は4.6%にとどまった。

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