コロナ禍でも戦争語り継いで 戦災資料センター初のネット配信

2020年8月4日 13時55分
展示解説の事前収録に臨む村瀬真帆さん(右)と空襲体験者の西尾静子さん(中)=1日、東京都江東区の東京大空襲・戦災資料センターで

展示解説の事前収録に臨む村瀬真帆さん(右)と空襲体験者の西尾静子さん(中)=1日、東京都江東区の東京大空襲・戦災資料センターで

  • 展示解説の事前収録に臨む村瀬真帆さん(右)と空襲体験者の西尾静子さん(中)=1日、東京都江東区の東京大空襲・戦災資料センターで
 新型コロナウイルスの影響で平和を語り継ぐイベントが開けない中でも、親子で戦争や平和について考える機会にしてもらいたいと、東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区)が毎年開催してきた夏休み企画が、今年は初めてオンラインで行われる。体験者の話や学生による展示解説を事前に収録し配信する。学芸員の比江島大和ひろとさん(38)は「戦後75年の節目。コロナ禍でも戦争を継承する取り組みを途切れさせたくない」と話す。(奥野斐)

◆恒例の夏休みイベント開けず

 夏休み企画は10年以上前から続く恒例の催しで、高校生や大学生らが準備段階から参加し、空襲を経験した人に話を聞いて感想を発表したり、体験記の朗読や展示解説をしたりするなど、催しそのものに戦争の継承の意味が大きい。
 新型コロナの影響で中止の可能性もあったが、センターが今年リニューアルしたこともあり、体験者が減る中で、できる限り発信しようと実施を決めた。

◆学生らが東京大空襲など体験を聞き取り

 例年は5日ほど連続で開催するが、今年は10、15、16日の3日間。吉田裕館長による歴史授業「戦争と子どもたち」(10日午後1時)、埼玉大の学生らによる紙芝居(15日午前10時半)、空襲体験者の話(同日午後1時)、学生による展示解説(16日午後1時)の4本を配信する。
 今月1日には、学生団体「IPeace(アイピース)」の大学生が、体験者の話を交えながら館内の展示を解説する様子を収録した。

◆「勉強したくても…」小学4年で時計も読めず

 戦時中の学校生活や疎開を紹介するコーナーでは、立教大4年の村瀬真帆さん(21)が、コロナの影響で普段通りの勉強ができない現状に重ね「当時はどんな状況でしたか」と戦争体験者に質問。6歳の時に東京大空襲で家を失い、岐阜県に疎開した西尾静子さん(81)は、戦争の混乱で「勉強したくても、まき拾いなどにかり出されて、できなかった。小学4年で私は時計も読めなかった」と振り返った。
 村瀬さんは、国民学校で子どもたちが書いた「神國日本」の習字や疎開先からの手紙も紹介した。センターの夏休み企画に関わるのは3回目といい、「東京に住んでいるけど、東京大空襲を知らない人も多いと思う。コロナ禍で学生がオンライン授業に慣れたこの機会に、戦争にも関心を寄せてほしい」と話した。
 視聴方法は2つあり、いずれも事前申し込みが必要。4日午前10時から先着順。/(1)/質問ができるビデオ会議システム「Zoom」での配信/(2)/動画投稿サイト「YouTube」での視聴は各100人。参加費は500円。詳細、申し込みはセンターのホームページ、または電03(5857)5631=へ。

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