中国国内の旅行業が急回復 高所得層が海外旅行から流れる

2020年8月5日 05時50分

7月24日、上海市の本社で、「多くの中国人が日本旅行をしたいと待ち望んでいる」と話す携程旅行網の孫CEO=白山泉撮影


 中国オンライン旅行最大手、トリップ・ドットコムグループの孫潔(ジェーン・スン)最高経営責任者(CEO)が本紙の取材に応じた。中国の高所得層の顧客が海外旅行から国内旅行に流れ、中国国内の旅行業が急速に回復していると明らかにした。「日本旅行を待ち望む中国人が多い」と述べ、海外旅行の早期再開に向けて日中両政府が協力する必要性を訴えた。(上海支局・白山泉)
 同社はコロナ後に動画中継の配信を利用した旅行商品を発売。梁建章りょうけんしょう会長が自ら出演し、ダンスや土地の民族衣装のコスプレをしながら観光地の魅力を伝える手法が、10~20代の若者に好評だ。孫氏は「国内の個人旅行に限れば、航空券の販売は通常の9割、ホテルは8割以上まで戻っている。これから団体旅行も始まるので、ますますよくなる」と予測する。
 旅行業界が徐々に再開していく中で、最も重要なのは「予約していたホテルや航空券のチケットを柔軟に変更できるようにすることだ」と強調。新たな集団感染などで旅行のキャンセルを強いられる顧客の要求に、柔軟に対応する必要があるという。
 一方、2018年の中国のサービス収支によると、旅行分野で中国から海外に流れたお金は約2800億ドル(約4兆2000億円)。世界が新型コロナ対策で出入国を制限していることで、中国人が海外旅行から国内旅行にお金を使うようになり、「国内の高級なホテルほど顧客が増えている」と話した。
 日本にとって訪日旅行者の3割を占める中国人は大事な顧客だが、コロナ禍でも日本熱は冷めていないという。孫氏は「日中政府間で安全基準を協議し、PCR検査や隔離措置の合理化などを進めることが観光業の再興に不可欠だ」と述べた。

 トリップ・ドットコムグループとは 1999年設立。2003年に米ナスダックに上場。旅行予約サイト「トリップドットコム」や航空券予約サイト「スカイスキャナー」などを手掛け、国内外に4億人の会員を有する。19年の売上高は357億元(約5500億円)。日本では19年にJR東日本、JR九州と訪日外国人の増加に向け、提携を結んでいる。グループ全体の社員数は4万5000人。本社は上海市。


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