育鵬社版を採択せず 横浜市の歴史・公民教科書

2020年8月4日 20時34分
 横浜市教育委員会は4日、市立中学校と義務教育学校計147校で来年度から4年間使う歴史と公民の教科書に、それぞれ帝国書院と東京書籍の教科書を採択し、育鵬社の教科書を採択しなかった。市教委は11、15、19年と3回連続で育鵬社の教科書を採択していた。

教科書の採択が行われた横浜市教育委員会定例会=4日、横浜市庁舎で

 採択は同日の定例会で鯉渕信也教育長と教育委員5人の計6人による無記名投票で行われた。歴史は7社のうち帝国書院が4票、育鵬社は2票、公民は6社のうち東京書籍が5票、育鵬社は1票だった。鯉渕教育長は定例会後、「新しい学習指導要領になり、教委のメンバーも代わり、ゼロベースで議論した結果」と述べた。
 育鵬社の教科書は日本国憲法制定過程について、連合国軍総司令部(GHQ)の意向に日本側は反対の声を上げられず「ほとんど無修正のまま採択された」と記述するなどし、市民団体や弁護士グループなどから批判が出ていた。市民団体の横浜教科書採択連絡会の土志田栄子さん(79)は「これで4年間、子どもたちにあの教科書を渡さなくて済む。この流れを全国につなげたい」と話した。
 現在、育鵬社の教科書を使う東京都立中高一貫校や小笠原村立中、神奈川県藤沢市立中などが先月、他社の教科書を採択した。一方、栃木県大田原市は来年度以降も使用を決めた。東京都武蔵村山市は18日、大阪市は今月下旬に採択を予定している。 (杉戸祐子、石原真樹)

関連キーワード

PR情報

社会の最新ニュース

記事一覧