和楽器バンドが「東京和楽器の灯守る」 三味線老舗の支援へ募金

2020年8月5日 16時33分

東京和楽器の支援に乗り出した「和楽器バンド」

 業績悪化で廃業を決めた三味線の大手老舗メーカー、東京和楽器(東京都八王子市)に対し、人気ロックバンド「和楽器バンド」が4日、支援目的の「たる募金」プロジェクトを立ち上げた。本紙報道で同社の危機的状況を知ったバンドメンバーが「灯を守ろう」と支援に乗り出す。同社は8月15日に幕引きの予定だったが、その後追加注文が相次ぎ、秋ごろまで稼働する見通しとなった。

◆ライブ会場で「たる募金」

 和楽器バンドは津軽三味線、尺八、和太鼓、ギター、ベースなどの8人組で2014年デビュー。16年には東京・日本武道館公演を成功させたほか、海外でもライブを開いている。
 「たる募金」は戦後間もないころ、プロ野球の広島カープを市民たちが支援した事例から発想を得た。今月15、16日に神奈川・横浜アリーナでの有観客ライブ会場にたるを設置して募金を呼び掛ける。ライブは有料生配信も予定され、オンラインでの募金も受け付ける。ライブの収益の一部も加えて、東京和楽器に寄付する。

◆本紙報道後に大口注文

 津軽三味線担当の蜷川べにさんは7月に同社を訪ね、三味線の製作現場を見学。「プロジェクトが和楽器の未来につながっていけばいいと思う」と話した。

7月、大瀧勝弘代表(右)から三味線の製造工程について説明を受ける「和楽器バンド」の蜷川べにさん=東京都八王子市で


 同社は近年の需要低迷や新型コロナウイルスの影響などから業績が悪化。大瀧勝弘代表(80)は8月15日での廃業を決めていた。大瀧代表は「新聞報道後、(三味線部品の)胴や糸巻きの大口注文が入った。支援はありがたいことです」と語った。 (山岸利行)

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