千代田区議会、解散するの? 石川雅己区長の「解散通知」Q&A

2020年8月6日 06時00分
 東京都千代田区の石川雅己区長が突然、区議会の解散を表明し、対立する議会側は解散の無効を求める裁判を起こしました。首長の解散権は、どこまで認められるのでしょうか。(浅田晃弘)

7月28日、千代田区議会の解散通知を持って議長室を訪れた石川雅己区長(右)と、「法的根拠のないものは受け取れない」と抗議する小林孝也議長


Q 騒動の発端は。
A 石川区長は、一般には販売されない「事業協力者住戸」と呼ばれるマンションを優遇的に購入した問題を議会で追及されています。先月27日の本会議では、議会の百条委員会での虚偽証言を理由に、区長を刑事告発する議案が可決されました。石川区長は、告発は「事実上の不信任にあたる」として、議会に解散を通知しました。
Q 「不信任」されたら議会を解散できるのか。
A 地方自治法178条は、議会が首長を辞めさせたいときの意思表明になる不信任の手続きを定めています。不信任は3分の2以上の議員が出席し、4分の3以上の賛成があれば可決します。不信任された首長は対抗手段として10日以内に議会を解散し、議会の選挙を通じて不信任が正当なものかどうか、有権者の判断を仰ぐことができます。解散しないと首長は失職します。
Q 告発の議決は、不信任にあたるのか。
A 告発は全区議の出席で4分の3以上の賛成で可決されましたが、これを「事実上の不信任」と主張するのは、主だった関係者では石川区長だけです。区長は「告発されれば、罪に問われる可能性がある。区長としてふさわしくないとされた」と話していますが、区議会は「真相解明を求めることは不信任とは違う」という立場です。
 高市早苗総務相も31日の記者会見で「不信任議決であるかどうかは議会において判断されるもの。一般論では、百条に基づく告発が不信任議決を意味するとは考えにくい。告発が不信任だと主張した裁判例はない」と述べました。区選挙管理委員会は、告発は「解散事由にあたらない」と判断し、解散日から40日以内の実施が定められた区議選は見送られました。
Q これからどうなる。
A 選管の判断が出ても石川区長は「解散の効力は続いている。現在も議会は存在していない」とコメント。譲るつもりはないようです。現在、区議会には新型コロナ対策のための補正予算案が提出されていますが、区長の指示で職員は出席せず、質疑をできない状態が続いています。
 25人の全区議は解散の執行停止の申し立てと、区長を相手取って解散通知の無効を求める裁判を起こしました。議会の正常化は法廷の判断を待ってからになりそうです。

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