安倍首相、4年連続で核兵器禁止条約に言及せず 広島・平和記念式典あいさつ

2020年8月6日 10時08分
平和記念式典であいさつする安倍首相=6日午前、広島市の平和記念公園で(共同)

平和記念式典であいさつする安倍首相=6日午前、広島市の平和記念公園で(共同)

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 安倍晋三首相は6日午前、広島市で行われた平和記念式典でのあいさつで、核兵器の開発や保有、使用を全面禁止する「核兵器禁止条約」に言及しなかった。同条約に触れないのは、国連で採択された2017年7月以降で4年連続。「核兵器のない世界」との理想は掲げつつ、被爆75年の節目の今年も具体的な道筋は示さなかった。
 首相はあいさつで「立場の異なる国々の橋渡しに努め、各国の対話や行動を粘り強く促すことで、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みをリードしていく」と強調。今後の取り組みに関して、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されている核拡散防止条約(NPT)再検討会議で「結束した取り組みの継続を各国に働きかける」と述べた。
 首相は毎年のあいさつで核保有国と非保有国との間での「橋渡し役」を強調し続けている。一方で、被爆者団体などが批准するよう求めている核兵器禁止条約については、米国の核抑止に依存する立場から否定的な姿勢を崩していない。
 条約は50カ国・地域が批准してから90日後に発効することになっていて、現在までに批准は40に達している。 (井上峻輔)

◆NPT発効50周年「結束した取り組みを各国に働きかける」

 広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式での安倍晋三首相のあいさつ要旨は次の通り。
 原子爆弾の犠牲となった数多くの方々のみ霊に、謹んで哀悼の誠をささげます。今なお後遺症に苦しむ方々に、心からお見舞い申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症が世界を覆った今年、世界中の人々が試練に打ち勝つため、今まさに奮闘を続けています。75年前、1発の原子爆弾により廃虚と化しながらも、先人たちの努力で見事に復興を遂げたこの美しい街を前にした時、現在の試練を乗り越える決意を新たにし、平和の尊さに思いを致しています。
 広島と長崎で起きた惨禍と、もたらされた人々の苦しみは、繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」の実現に向けた国際社会の努力を前に進めることは、わが国の変わらぬ使命です。
 本年は被爆75年という節目の年です。非核3原則を堅持しつつ、立場の異なる国々の橋渡しに努め、各国の対話や行動を粘り強く促し、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みをリードしていきます。
 核拡散防止条約(NPT)が発効50周年を迎えました。結束した取り組みを各国に働きかけ、積極的に貢献します。
 「核兵器のない世界」の実現へ確固たる歩みを支えるのは、核兵器使用の惨禍やその非人道性を語り伝え、継承する取り組みです。わが国は被爆者と手を取り合い、被爆の実相への理解を促す努力を重ねていきます。
 原爆症の認定について、迅速な審査を行い、高齢化が進む被爆者に寄り添いながら、総合的な援護施策を推進します。
(共同)

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