政治経験なしアラフォー主婦に注目 夫を拘束され「独裁者」の対抗馬に ベラルーシ大統領選

2020年8月7日 06時00分

2日、ベラルーシ西部ブレストでの集会で大勢の支持者に囲まれるチハノフスカヤ氏=AP

 【モスクワ=小柳悠志】9日に投開票される旧ソ連圏のベラルーシ大統領選で、選挙戦終盤、37歳の主婦スベトラーナ・チハノフスカヤ氏の集会に数万人の支持者が詰め掛け、6選を目指すルカシェンコ大統領(65)の「不人気ぶり」が浮き彫りになっている。掲げる公約は、強権統治で今選挙から排除された有力候補も含め、「新しい公正な大統領選を行う」ことだ。
 自身は、政権批判を続け5月に拘束された映像ブロガーの夫に代わり立候補。ほかに反政権派の有力候補2人も資金洗浄の容疑で逮捕されたり、政権の影響下にある中央選管から立候補を却下されるなか、チハノフスカヤ氏は政治経験のない主婦で、政権側に「無害な候補」とみられたのか、出馬が認められた。
 ところが、1994年から続くルカシェンコ政権への不満の受け皿となる形で登場し、事実上、反政権派の統一候補の様相に。首都ミンスクでの7月30日の支援者集会には、地元人権団体の発表で6万人超が参加。同国独立後では最大規模の反政府集会になった。

3日、ミンスクで独立記念日の式典に出席したベラルーシのルカシェンコ大統領=タス・共同

 ルカシェンコ氏は「欧州最後の独裁者」と呼ばれ、5月以降に全土で頻発するデモなどの参加者も次々拘束。その弾圧下でも人々が集まったのは、4半世紀に及ぶ長期政権への嫌気に加え、新型コロナウイルス対策の無策ぶりが際立つためだ。「コロナは心の病。ウオッカやサウナが効く」などと国民に語り、反発は膨らんでいるとみられる。
 ただ、ベラルーシで公正な選挙が行われる保証はない。国営放送の世論調査では大統領の支持率は72%で、チハノフスカヤ氏は8%弱。一方、独立系サイトは大統領支持率を3%とする。欧州安保協力機構(OSCE)は過去の大統領選も操作されていた疑いを指摘。ミンスクの政治学者カルバレビッチ氏も「この国では普通の大統領選は長年行われていない」と指摘する。

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