「釜石の奇跡」に学ぶ、大規模災害時の備え 戸塚高で地域防災講座

2020年8月7日 07時18分

座席の間隔を空けて行われた地域防災講座=いずれも横浜市戸塚区で

 大規模災害が起きた時、地域で学び、暮らす高校生たちに何ができるか。横浜市戸塚区の市立戸塚高校で六日、生徒や保護者、地域住民ら五十人が参加し、地域防災講座が開かれた。東日本大震災で多くの児童生徒が津波から逃れた岩手県釜石市で行われていた防災教育を聞き、自助や共助などについて考えた。 (小形佳奈)

◆文科省の森本調査官 事前行動の重要性説く

「事前の備えが大事」と呼び掛ける森本調査官

 講師の文部科学省総合教育政策局の森本晋也安全教育調査官は、震災の前年度まで同市立釜石東中学校に勤務していた。防災教育に熱心だった同市では、津波による死者・行方不明者が千人を超す中、とっさの判断で高台に避難した小中学生の生存率は99・8%。「釜石の奇跡」と呼ばれた。
 森本調査官は、同校では授業で学区内の防災マップをつくったり、地域のお年寄りに過去の被害を聞き取ったりしていて、その結果、生徒たちは子ども向けの啓発DVDの制作などの活動を自主的にしていたと紹介。自分の命を守り、地域社会の一員として行動する重要性を説いた。
 続いて行われたワークショップでは、避難所となった学校で「子どもたちが遊びたいと言ったら」「高齢者が昼間だけ来たいと言ったら」といった具体的な状況を想定し、新型コロナウイルス感染のリスクも考慮した対応について意見交換した。
 戸塚高生徒会長の二年芳賀綾香さん(16)は「学校は避難所に指定されていないが、もし避難して来る人がいたら、生徒会が率先して受け入れ態勢をつくりたい。自分の命を守りながら人の命も守る、瞬時の判断ができるか自信はないけど、心構えはできた」と感想を話した。

ワークショップでは参加者同士の距離を保つため、意見交換に糸電話を使う生徒も


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