<くらしの中から考える>学校にスマホ持ち込み

2020年8月7日 07時40分
 中学生がスマートフォンや携帯電話を学校に持ち込むことが、条件付きで認められることになりました。10年以上前から文部科学省が公立の中学校では原則禁止にしていましたが、災害など登下校時の緊急事態に備え、必要との声が上がり、方針を転換しました。皆さんは子どもが学校にスマホを持ち込むことをどう思いますか。 (細川暁子)

◆中学 条件付きOK 緊急事態への備えに

 携帯電話の持ち込みについて文科省は二〇〇九年の通知で、公立の小中学校では、学校教育に直接必要がない、トラブル防止などの理由で原則禁止に。高校は校内での使用が禁じられた。
 専門家らでつくる同省の会議が七月、中学への持ち込みを条件付きで認める案を提言。案に沿い中学の禁止方針が見直された。実際に持ち込みを認めるかは各学校や教育委員会が判断。校内での使用は認めない。小学校は禁止のままだ。
 きっかけは、一八年に起きた大阪府北部地震。保護者らから子どもの安否確認のために認めてほしいとの声が上がっていた。東京都が一九年度に行った調査では、中学生のスマホの所持率は約75%に上り、通学距離が比較的長く、部活などで帰宅が遅くなりがちなことも考慮された。
 ただ、トラブルも心配されている。文科省は持ち込みを許可している高校などへのヒアリングをもとに、紛失や盗難、授業の妨げになる、インターネットへの依存度の高まりなどを想定。社会でも、会員制交流サイト(SNS(エスエヌエス))で裸の写真を送らされるなど、子どもが巻き込まれる事件が増えており、助長しないかとの危惧もある。

◆いじめ、登下校中の使用 トラブル増える心配

 このため、認める条件は四つあり、一つ目は子どもと保護者で利用のルールを設けること。二つ目は、学校での管理方法を明確にすること。三つ目は保護者の責任で有害サイトの閲覧を制限する「フィルタリング」をスマホに設定すること。四つ目が、スマホの危険性や正しい使い方を保護者も学校も教えることだ。
 それでも、精神科医で国際医療福祉大の和田秀樹教授(60)はスマホ上でのいじめ、犯罪に巻き込まれるおそれなどを挙げ、持ち込みに反対。「登下校中に歩きながらオンラインゲームをしたり、スマホを持っていない子が孤立してしまったり、弊害は多い」と懸念。トラブルが増えれば、教員の指導の負担がさらに重くなることも心配する。
 実際、保護者が許可願を出した生徒の持ち込みを認めている私立の名古屋中(名古屋市)では過去に、職員室に預けるルールを守れず、学校内で休み時間に使う生徒もいた。中学教頭の渡部修行教諭(52)は「禁止した方が教員には楽」と認める一方、「危険性や情報の正しい見極め方など、『どう使うか』を学校が教える方が教育的」だと話す。
 愛知工業大の川口洋誉准教授(41)も「今や子どもにスマホは不可欠で、新型コロナによる休校中はスマホで友達とつながり孤立せずに済んだ子もいた。遠ざけるのではなく、付き合い方を学校でも教える必要がある」と指摘する。

◆意見 送ってください

 学校へのスマホの持ち込みについて、意見を送ってください。紙面で紹介したお子さんの中から抽選で図書カードをプレゼント。応募は〒460 8511 中日新聞(東京新聞)生活部「学ぶ」係=ファクス052(222)5284、メールseikatu@chunichi.co.jp=へ。
URLから、ワークシート兼応募用紙もダウンロードできます。21日締め切り。
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