スズメバチに特別警戒を 新型コロナの影響で巣が撤去されず…長梅雨で小型化も

2020年8月7日 13時50分
キイロスズメバチの巣(小野正人教授提供)

キイロスズメバチの巣(小野正人教授提供)

  • キイロスズメバチの巣(小野正人教授提供)
  • 巣の材料を集めるキイロスズメバチ(小野正人教授提供)
 各地で猛暑が本格化し、秋にかけてスズメバチへの注意が必要な季節となる。今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛の影響で、街中に人目に付かないまま残った巣が多くあることに加え、長梅雨によって巣が小型化して見つけにくくなっているという。専門家は「思いもよらない場所でハチに刺されないために、正しい対策を身につけてほしい」と注意を呼び掛けている。(奥村圭吾、天田優里)
 東京都江戸川区の幼稚園で3日夕、園庭で遊んでいた4歳の男児2人と、40代の男性職員1人がスズメバチに刺された。3人は救急車で病院に搬送されたが、幸い軽いけがで済んだ。
 警視庁や東京消防庁によると、園庭にある木に15センチほどの巣があり、それに気付いた園児が「虫がいる」と木を揺らしたところ、ハチが攻撃してきたという。園は、巣の存在に気付いていなかったとみられ、巣は救急隊員が撤去した。
 玉川大(東京都町田市)の小野正人教授(応用昆虫学)によると、都会で生息数が増えているキイロスズメバチなどは、春から巣を作り始め、秋に最も大きくなる。通常、でき始めの巣を発見した人や連絡を受けた管理者が人知れず撤去しているが、今年は外出する人が減った影響で、誰にも気付かれずに残った巣が多いという。
 さらに長梅雨と豪雨が重なり、スズメバチの巣作りが邪魔されたことも危険な要因と指摘する。小野教授は「小型で目につきにくい巣が、公園の茂みなどに隠れている可能性がある」と警鐘を鳴らす。
 ハチの毒針に刺されると、「アナフィラキシーショック」というアレルギー反応を引き起こすことがある。呼吸困難や吐き気などの全身症状が出て、数十分で意識を失ったり、心肺停止したりする危険性がある。
 刺されないための対策として、小野教授は、ハチを刺激する黒い服や香水を避け「ハチと鉢合わせしたら手で追い払わず、ゆっくりと後ずさりして避難してほしい。白っぽい帽子や布で頭や皮膚を隠すのも効果的」とアドバイスする。
 刺された場合は、数十メートル避難し、冷水で洗い、皮膚をつまんで毒素を出すなどの応急処置が必要だ。患部のはれや痛み以外に、めまい、じんましんなどの全身症状が出たら「すぐに救急車を呼ぶか病院を受診してほしい」と呼び掛ける。
 厚生労働省の人口動態統計によると、全国でスズメバチなどのハチに刺されたことによる死者は2018年に12人、17年13人、16年19人。

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