ウイルス性胃がんメカニズムを解明 千葉大など研究グループ

2020年8月9日 07時15分

ウイルス性胃がんのメカニズム解明を説明する千葉大の金田篤志教授(右)=県庁で

 千葉大学などは、全ての胃がんの約一割に相当するウイルス性の胃がんを引き起こすメカニズムを解明したと発表した。胃細胞内の使われていないゲノム(全遺伝情報)領域が、ウイルスの侵入で異常活性化することで発がんする全く新しい機構を「エンハンサー侵襲」と命名。米国の世界的権威の科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」で七月二十八日からオンラインで掲載された。(中谷秀樹)
 発表したのは同大学大学院医学研究院の金田篤志教授(分子腫瘍学)や国立シンガポール大学の教授らでつくる研究グループ。細胞内の遺伝子の発現量を調節し、その性質を決定付ける領域「エンハンサー」のうち、本来なら使われずに閉じ込められた「不活性領域」がウイルスに襲われてこじ開けられ、活性化していることを発見。これにより、周囲のがん遺伝子の発現量を上昇させるとした。同二十七日に県庁で会見した金田教授は「ウイルスが眠っていたゲノム領域をたたき起こして、発がんさせていた」と説明した。
 グループは、胃細胞に感染したウイルスは、ほぼ同じ不活性領域に接近していることを多くの検体から解析。さらに、胃培養細胞を人工的にウイルス感染させ、異常活性化を再現してメカニズムを証明した。金田教授は「ウイルス感染が関わる多くのがんの解明と治療法の開発につながることを願っている」と述べた。 

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