<新型コロナ>AIで「密」回避 熱海の老舗「古屋旅館」 お風呂など混雑状況、スマホでお伝え

2020年8月10日 07時30分

スマホでQRコードを読み込むと表示される混雑状況の確認画面

 熱海市東海岸町の古屋旅館が、新型コロナウイルスの感染リスクが高まる「密」を防ぐため、大浴場やフロントなど館内四カ所の混雑状況を人工知能(AI)を使い解析、リアルタイムで宿泊客に伝えるサービスを導入している。コロナ禍で安全性が宿泊先を選ぶ新たな指標として注目される中、江戸時代開業の老舗が、現代の最新技術でサービス向上を図る。(山中正義)
 男女各大浴場の脱衣所入り口とフロントロビー、無料のコーヒーコーナーに設置したセンサーやカメラで人の出入りを把握。「空いています」「やや混雑」「混雑」の三段階で各所の状況を示す。宿泊客は入館時に配布されるQRコードをスマートフォンで読み込めば、客室などからいつでも混雑状況を確認でき、密を回避できる仕組みだ。
 同館によると、四カ所の混雑状況を同時に可視化した旅館は県内初という。投資額は百三十万円。
 七月末から導入したところ、宿泊予約サイトの口コミで「お風呂の混雑がスマホで確認できるのも助かりました」などと評判は上々。同業他社からの問い合わせもあり、内田宗一郎社長は「旅館滞在の満足度が上がる。非常に効果がある。今後はあって当たり前のサービスになるのでは」と太鼓判を押す。
 導入によるメリットは従業員にも及ぶ。チェックアウトの際、宿泊客がフロントで精算のため列をつくると、従業員が急いで接客の質が落ちる恐れがある。しかし、混雑が回避されれば、見送りや荷物の移動の手助けなど、余裕を持って対応でき、生産性も上がるという。
 古屋旅館では他にも、ウイルスに有効な消毒液や紫外線ライトを使った消毒、大浴場の脱衣所にオゾン発生器を設置するなどコロナ対策を取ってきた。今後も最新技術を使った対策を検討している。内田社長は「安全性が旅館やホテルに課せられる時代になった。テクノロジーで安全を確保するのは一つのやり方で、必要な投資はしていく」と力を込めた。

AIによる混雑回避サービスを導入した古屋旅館=いずれも熱海市東海岸町で


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