香港、民主派メディア創始者ら9人逮捕 国安法違反疑い

2020年8月11日 05時55分
10日、香港の蘋果日報本社前で、警察に連行される黎智英氏(中)=AP

10日、香港の蘋果日報本社前で、警察に連行される黎智英氏(中)=AP

 【上海=白山泉】中国に批判的な論調で知られる日刊紙「蘋果日報(アップル・デーリー)」の創始者、黎智英(ジミー・ライ)氏ら9人が10日、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕された。香港警察によると、外国勢力と結託して国家安全を脅かした疑いなどが持たれているとされる。国安法によってメディア関係者が逮捕されるのは初めて。
 同日朝、警察が黎氏の自宅を家宅捜索し黎氏を連行した。警察によると23~72歳の少なくても9人を逮捕。香港メディアによると、逮捕者には黎氏の2人の息子や蘋果日報を発行するメディア企業「ネクストデジタル」の幹部らが含まれているほか、海外にいる黎氏の外国人助手も指名手配されたという。
 蘋果日報の本社でも約200人の警官が家宅捜索し、衣装ケース25箱以上に及ぶ証拠品を押収した。
 黎氏は香港返還前に蘋果日報を創刊。昨年の反政府デモを経済的支援していたことなどから中国政府が名指しで批判していた。今年4月にも、昨年のデモに参加した疑いでほかの民主活動家ら14人とともに逮捕された。
 米NGO「ジャーナリスト保護委員会」アジアプログラムのスティーブン・バトラー氏は「批判的な意見の抑圧と報道の自由の制限に国安法が利用されるという最悪の懸念を裏付けたものだ」と批判し、黎氏の釈放を強く求めた。
 国安法の施行前、民主活動家の黄之鋒(こうしほう)氏はツイッターで「私と黎氏は、法施行後にまもなく逮捕される」とコメントするなど警戒を強めていた。

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