<コロナと生きる@いばらき>水戸市が対応に四苦八苦 クラスターなど後手の情報発信

2020年8月11日 08時01分

会見する高橋市長=水戸市保健所で

 新型コロナウイルスの感染拡大で、水戸市が対応に四苦八苦している。市内のキャバクラでクラスター(感染者集団)が発生した際も、大井川和彦知事が市よりも先に明らかにし、情報発信で後手になった。市は四月一日から、感染症対策の司令塔になる保健所の業務を県から移管されたばかりで、経験不足も背景にあるようだ。市は十一日から、保健所に特別対策チームを設置し体制を強化する。 (松村真一郎、宮尾幹成)
 市は七月二十八日午後二時、男性五人の感染を確認したと発表したが、クラスターが発生したキャバクラ店の関係者が含まれることには言及しなかった。
 だが、その二時間半後の午後四時半、大井川知事が県庁で急きょ会見を開き、「市が発表した五人に、夜の街関連の方が複数含まれている。接客されている人、客、客を呼び込む担当の人、さまざま」と述べた。
 一方で午後八時半に、水戸市の高橋靖市長が緊急会見を開き、新たに五人の感染が判明したと公表。昼の分も含め、計十人のうち三人が、接待を伴う同一店舗の従業員だったと説明。翌二十九日に、この店がキャバクラだったことや、店名などを明らかにした。
 高橋市長は、大井川知事が先に発表したのを問われ、「できるだけ細かく調べて、裏付けを取ってから発表したいという責任意識があり、タイムラグがあったことは、ご理解いただきたい」と釈明した。
 市関係者によると、二十八日午後二時の段階では、キャバクラの関係者が複数いることは確認できていなかった。キャバクラ関係の感染者の一人は当初、市保健所の聞き取りに「無職」と答え、再度の聞き取りで従業員だったことが判明。初期段階で、キャバクラの関係者が感染したことに気付けなかった。
 その後の調査で状況が少しずつ判明し、市は午後四時半の知事会見までに、聞き取れた内容をメモで県に報告した。
 市関係者は「知事がメモを見て、『夜の街』の感染に危機感を抱き、政治判断で言ったのだろう」と推察。その上で「陽性判明者は、感染が分かった直後は動揺し、最初からいろんなことが聞き取れない。何度も連絡をしなければならず、情報発信までには時間がかかる」と話した。
 その後、キャバクラがある繁華街を重点的に検査する「ローラー作戦」が始まる。市保健所が単独で実施することも考えられるが、県主導に。大井川知事は会見で「市の今の態勢、保健所もかなり厳しい状況になっていて、県主導でやってほしいと依頼を受けた」と明らかにした。
 水戸市は県内で最も多い人口約二十七万人を抱えるが、保健所の業務を担うのは、四月一日に中核市になってからで経験は少ない。大井川知事は「当初から気にしていた。職員のトレーニングを含め時間が全くなかった状況。市内では感染が急拡大し、できることをお互いに分担しながら、やろうということになっている」と話した。
 市も、新型コロナに対する保健所の体制強化を図り、所内に設置する特別対策チームには二十五人を配置。これまでは、保健所の保健予防課の六人が専従で、課のほかの職員らも必要に応じ応援に入っていた。チームの人員は他部署からも補強する。
 高橋市長は「保健予防課に集中している業務を分散し、円滑に業務ができるようになる。今後も業務の量や質を見ながら、臨機応変に対応したい」と話した。

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