ノンアル、家飲み、自分流 外出自粛で増加 各社、健康効果もPR

2020年8月12日 07時17分

多彩なノンアルコール飲料が並ぶ売り場=名古屋市で

 夏本番、冷たい飲み物が恋しい季節だ。新型コロナウイルスの感染が再び広がる中、自宅で晩酌やオンライン飲み会を楽しんでいる人も多いだろう。お酒に弱い人もノンアルコール飲料なら飲みやすいのでは。最近はビールやカクテル、ワイン、日本酒など多彩な風味がそろい、健康志向の商品が続々と登場している。 (平井一敏)
 日本の酒税法では、アルコール分が1%以上の飲料を「酒類」と規定。ノンアルコール飲料はアルコール分が1%未満で、見た目や味、香りなどを似せて作っており、法律上はお茶やジュースと同じ「清涼飲料水」にあたる。消費税も8%のままだ。
 名古屋市緑区の住宅街にある大型酒店。ノンアルコール飲料専用の売り場には、ビール風味を中心に約三十種類の缶入り商品が並ぶ。「箱買いする人が増えている」と店長の佐藤宏城さん(31)。新型コロナが騒がれ始めた二月以降、店全体の売り上げは前年同期を上回り、緊急事態宣言中の五月は一・六倍に達した。
 ビールメーカー各社によると、発泡酒や第三のビールを含むビール類の一〜六月の販売数量は前年同期に比べて一割減少。飲食店の休業などによる業務用の需要減が響いた。一方で、家庭用が中心のノンアルビールは6%増加。佐藤さんは「外出の自粛で家飲みする機会が多くなったからだろう」とみる。
 同市の会社員男性(46)は五月、学生時代の友人とのオンライン飲み会に備え、三百五十ミリリットル入りのノンアルビール六缶を買い込んだ。「味はビールとほとんど変わらず、二日酔いを気にせず飲める」。同市の主婦(43)は「夫が家で晩酌することが増えた。自分は飲めないので、いろんなノンアルを試しながら付き合っている」と声を弾ませる。
 サントリービールが五月、延べ約十八万人から回答を得た意識調査では、約四人に一人が在宅勤務中の気分転換やオンライン会議の息抜き、昼食時にノンアル飲料を「飲んでもいい」と回答。家で子どもの様子を見ながらの飲用も約三人に一人がOKと答えた。広報部の北原和秋さんは「ノンアル飲料が日常的な飲み物として定着しつつある」と話す。
 巣ごもりによる運動不足で「コロナ太り」になった人もいるのでは。各メーカーともカロリーや糖質も抑えたノンアルビールを展開しており、企業が独自の科学的根拠に基づき健康への効果をうたう「機能性表示食品」などの商品を打ち出している。
 キリンビールは昨年、体脂肪を減らす効果があるという独自の「熟成ホップエキス」を使ったノンアルビール「カラダFREE(フリー)」を発売し、好調だ。広報担当者は「健康のために積極的にノンアル飲料を選ぶ人が増えた」と指摘する。
 カロリー、糖質ゼロや内臓脂肪の低減効果などをうたうサントリーの「オールフリー」ブランドも一〜六月の販売数量が前年同期と比べて二割近く増加。サッポロビールが六月に発売した「うまみ搾り」は、尿酸値を下げるペプチド(アミノ酸の集合体)の一種、アンセリンを配合。「一日一本を飲み続ければ、健康効果が期待できる」とアピールする。
 注意も必要。アルコール分の表示が「0・00%」以外の商品には微量のアルコールが含まれている。お酒に弱い人や妊娠中の人は気を付けたい。また、法律上は未成年も飲むことができるが、どの商品も基本的に二十歳以上の飲用を想定。アルコールに似た味で、飲酒を誘発するおそれがあるためで、キリンの広報担当者は「二十歳未満の人は控えてほしい」と話す。
 飲み過ぎると、炭酸の影響でおなかがゆるくなるおそれがあるほか、ノンアルだからと油断して、つまみを食べ過ぎないことも肝に銘じたい。

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