<夏の口福便 地元の味届けます>みそ煮込みうどん(名古屋) 麺打ちから味わって

2020年8月12日 07時17分

手作りキットと専務取締役の青木裕典さん

 今年に入り、新型コロナウイルスの影響で大きなダメージを受けている飲食業界。先月は九州を中心に記録的な豪雨にも襲われた。そうした逆境にあっても、自分たちの味を大勢に届けたいと頑張る人たちは多い。自宅にいながら楽しめる列島各地の味を紹介する。
 小鍋のふたを取ると、ぐつぐつ煮えた茶色い汁と、汁がよく染みた直径四ミリほどの太い麺…。名古屋名物「みそ煮込みうどん」のおいしさを、麺を打つところから味わってほしいと、五月中旬から販売が始まったのが、手作りキットだ。
 名古屋市千種区の老舗、大久手山本屋が考えた。機械打ちの麺が広がる中、ずっと手打ちにこだわってきたが、新型コロナウイルスの影響で五月六日までの二十日間は営業を自粛。四月の売り上げは前年同月比35%に激減した。そうした中、専務取締役の青木裕典さん(30)が「休校続きで、子どもが家ですることがないと聞いた」ことが販売のきっかけという。
 キットには八丁みそがベースの四人分の特製みそ、だしパック、八人分のうどん粉七百グラム、麺棒などが入っている。うどん粉の方が他の材料より四人分多いのは、素人でも打ちやすい量を考えた結果だ。スマートフォンで説明書のQRコードを読み込んで動画を見ながら作るといい。

こねた生地を麺棒で延ばす青木一哉さん=いずれも名古屋市で

 まずは、うどん粉と水をまぜてこねる。力がいる作業だ。「ここが大人の頑張りどころです」と父で麺打ち担当の一哉さん(55)。ソフトボール大だった塊が、麺棒で延ばすと、みるみる直径五十センチ、厚さ四ミリほどに広がっていく。それを切り、だしを取ってみそを溶かした汁に投入。ネギや鶏肉などと煮込むと完成だ。
 麺の芯まで火を通し切らないのが、みそ煮込みうどんの特徴。麺をかむと、みそやだしのうま味と小麦の香りが口の中に広がる。作り始めから二〜三時間で、この味が堪能できる。
 「上手にできた」「ちょっと失敗。職人の打ったものをお店で食べたい」など反応も上々。これまで約三百セットを全国に送った。家族四人で食べても、完成したうどんはまだ四人分ある。残りはどう食べよう? 自分なりのアレンジを考えるのも楽しみの一つだ。 (中日新聞・佐橋大)

完成したみそ煮込みうどん。具は追加している

<みそ煮込みうどん> 赤みそ仕立ての汁でうどんを煮込んだ料理。コシを強くする働きのある塩を麺に使わないため、味が染みやすい。大久手山本屋は大正時代の創業。味噌(みそ)煮込みうどん手作りキットは、通販サイト(「大久手山本屋」で検索)で販売。1セット4482円と送料。問い合わせは、同店=電052(733)7413=へ。

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