<コロナと生きる@ちば>「オンラインで法縁を」 千葉市の無量寺 LINE法事

2020年8月13日 07時14分

「オンライン法事で新たな法縁を結びたい」と語る金山宣成さん(右)と龍成さん

 新型コロナウイルス感染の不安が広がる中、故人をしのびたくても集まれない−。そんな人たちのために、千葉市美浜区の浄土真宗本願寺派無量寺は5月、通信アプリのビデオ通話機能を利用した「オンライン法事」を始めた。「密」を避けられるだけでなく、遠方に住む親族の参加も容易になり、新たな仏事のあり方に注目が集まりそうだ。(太田理英子)
 無料通信アプリ「LINE(ライン)」のビデオ通話機能を使い、僧侶が本尊に向かって読経する様子をタブレット端末で後ろから撮影。自宅などにいる門徒らはスマートフォンなどでその映像を見ながら、画面越しに手を合わせる。
 無量寺では、感染が拡大し始めた三月から十数件の法事の延期やキャンセルが相次いだ。四月には、依頼自体が途絶えたという。
 日ごろから法話会の参加の大切さを説いてきただけに、住職金山宣成(のぶなり)さん(63)は「お寺参りをしたい気持ちは変わらないはず。申し訳なさでつらかった」と振り返る。法事などの新たな方法を模索する中、長男の龍成さん(34)がオンライン法事を提案した。
 五月中に寺のホームページで案内を出すと、「東京から行くと高齢親族への影響が心配」などと、すぐに複数の問い合わせが寄せられた。七月までに四十九日や年忌法要など三件のオンライン法事を行った。いずれも音声が途切れるなどのトラブルはなく、門徒たちからは「無事に行えて安心した」と喜ぶ声があったという。
 「ご門徒とやりとりもできるし、普段の法事と変わらない」と金山さんは実感する。「浄土真宗の考え方では、寺でも家の仏壇でも、手を合わせるのは同じ阿弥陀さま。念仏を唱えることはオンラインでも、どこにいてもできる」と話す。
 また、「むしろいつもより仏事に関する質問が多くて。オンラインの方が近しいように感じるのかな」と意外な発見も。県内の同じ宗派の寺の中でも、徐々にITの活用やオンライン法事への関心が集まり始めているという。
 また、龍成さんは若い僧侶たちとともに、四月、LINEで悩み相談窓口「あみだぐち」を立ち上げた。これまでに六十八人が利用登録をし、自粛生活などでのストレスや人間関係の悩みが寄せられた。龍成さんは「コロナの影響で我慢を続けている人は多いと思う。どんな思いを抱えているのか聞くことが大切」と力を込める。
 門徒の中には、海外在住の人や歩行が困難なお年寄りもおり、金山さんは感染予防以外にもオンライン法事の需要はあると見込む。「いろいろな形でお参りができれば、その分、多くの人が仏教の教えを聞ける機会になる。オンライン法事を通じ、仏様の心に触れる法縁を結びたい」
  ◇ 
 新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちは、これまでの生活様式や考え方を見直す大きな転機を迎えています。県内で「新しい生活様式」を模索する人々や団体を随時、紹介します。

読経する僧侶をタブレット端末で撮影し、ビデオ通話で中継する=いずれも千葉市美浜区の無量寺で


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