「対策徹底」虹のステッカーはあったが…パブで感染拡大

2020年8月14日 05時50分
「マヨン2」が入居するビルの入り口。同店が掲示していたステッカーは13日、都が撤去した=右上の空白部分(一部画像処理)

「マヨン2」が入居するビルの入り口。同店が掲示していたステッカーは13日、都が撤去した=右上の空白部分(一部画像処理)

  • 「マヨン2」が入居するビルの入り口。同店が掲示していたステッカーは13日、都が撤去した=右上の空白部分(一部画像処理)
 新型コロナウイルスの感染防止対策に取り組んでいることを示す東京都のステッカーを掲示していた江戸川区のフィリピンパブで、クラスター(感染者集団)が発生していたことが分かった。同店は飛沫ひまつ防止などの対策を取っていたといい、ステッカーがあっても必ずしも「安全」ではないことを示した格好。あくまでも「目安」で、改めて対策の難しさが浮かび上がる。 (小倉貞俊、松尾博史)
 「感染対策にはかなり気を付けていたと聞いており残念」。江戸川保健所の担当者が声を落とす。クラスターが出たのは、東京メトロ東西線西葛西駅に近いビルのフィリピンパブ「マヨン2」。7月29日に店を訪れた60代男性客の陽性が判明し、保健所が濃厚接触者12人を調べると、今月11日までに20~40代の女性従業員7人の感染が分かった。
 店は都による8月中の営業時間短縮要請に応じて月内を完全休業にしているが、それまでに訪れた客に対して注意を呼び掛けている。

◆ステッカーはダウンロード、自己申告で掲示

 同店がビル入り口に掲示していたのが、虹色模様が目印の「感染防止徹底宣言ステッカー」だ。都が飲食店や遊興施設に掲示を努力義務としている。各店は、都のホームページにある「手洗いの徹底・マスク着用」「できるだけ2メートルの距離を保つ」「体調不良の従業員は帰宅させる」といった対策項目を満たしていればチェックを入れ、ダウンロードする。全業種の共通項目は16で、マヨン2のようなパブはさらに5項目増えて計21項目になる。
 ただ、都がステッカー掲示店の対策状況を実際に確認したり、感染者が出たかを把握したりする仕組みはなく、ステッカー取得は店側の自己申告だけで可能だ。
 保健所などの聞き取りによると、同店は7月半ばにステッカーを申請し、手指消毒や室内換気、マスクやフェースシールドの着用といった対策を実施していた。

◆東京都内の17万5000の店・施設で掲示

 ステッカーは12日現在、都内で17万5000店・施設が掲示。小池百合子知事はこれまで「ステッカーのある安心な店を利用してほしい」とPRしてきた。
 対策をしている店でさえクラスターが発生したことについて、小池知事は13日、報道陣に「お客さんの方にも『大声で飛沫が飛ぶようなのは控えて』と申し上げている。店側の協力とともに、利用者側の認識も必要だ」と述べた。

◆「早く検査して対応すれば、早く事業復活できる」

 国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫医師は「(対策をしていても)感染者が出ることはあり得る。お店は従業員の体調が疑わしい場合、早く検査して対応すれば早く事業が復活できるので、怖がらないで」と指摘。利用客には「店に迷惑が掛からないよう、体調が悪いとき、微熱、鼻水、喉が痛いときは利用を控えてほしい」と話した。

関連キーワード

PR情報

社会の最新ニュース

記事一覧