<新型コロナ>会えないから 手書きで手紙を ペン字教室の生徒増加

2020年8月15日 08時04分

川南さんの主宰する「青山一丁目ペン字筆ペン教室」はコロナ後、入室してくる生徒が増えた=東京都港区で

 コロナ禍で他人との接触を避けたリモート化・オンライン化が進む一方、手書きによる手紙が見直されている。この夏は帰省できない人も多く、「会いたくても会えない親や友達に心を込めた手紙を書きたい」とペン字教室に通う人が増えている。 (藤英樹)
 東京都港区の「青山一丁目ペン字筆ペン教室」。二十代から七十代まで男女約百人が通う。取材で訪れた時は四人の生徒が自分の名前や住所、「いつもありがとう」「よろしくお願いします」などの言葉を熱心に練習していた。
 「コロナで四、五月は教室を閉めました。再開後も職場がリモート化されるなどで退室したり、休む生徒もいたりして心配しましたが、六月は十人、七月は十二人が新たに入室しました。以前は月平均四、五人でしたので、びっくり」と主宰する川南富美恵さん(54)。
 川南さんによると、コロナ前は「職場で手書きの書類を書いたり、就活で履歴書を書くのに、今の字では恥ずかしいから」との動機で通う生徒が多かったという。ところがコロナ後は「故郷の親や会えない友達などにメールでなく手書きの手紙を出したい」という生徒が増えたそうだ。「文通を始めた生徒もいます」
 川南さんが最近出版した「字がきれい!はいいことづくし」(評言社)には、スマホなどの画面の字を見慣れているため、最近の手書き文字は形も大きさもほとんど同じだったり、「口(くち)」という字を四角形に書く人が増えているという。美しく書くには「漢字はひらがなより大きめに」「口は左右をすぼめて」と教えている。
 「自分の字が好きになれないとコンプレックスを持つ人が多い」と感じて四年前に教室を開いたという川南さん。「心に美しいお手本をイメージして三カ月くらい練習すれば、見違えるような字が書けるようになります。字を書くのが楽しくなりますし、目上の方への手紙やお礼状なども自信を持って書けますよ。手書き文化が広がれば」と期待する。

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