首相式辞から「歴史と向き合う」消え「積極的平和主義」が初登場 戦没者追悼式

2020年8月15日 12時26分
全国戦没者追悼式で式辞を述べる安倍首相=15日午前、東京・日本武道館(代表撮影)

全国戦没者追悼式で式辞を述べる安倍首相=15日午前、東京・日本武道館(代表撮影)

  • 全国戦没者追悼式で式辞を述べる安倍首相=15日午前、東京・日本武道館(代表撮影)
 安倍晋三首相が15日の全国戦没者追悼式で述べた式辞には「歴史と向き合う」という趣旨の言葉がなかった。一方、首相が掲げる「積極的平和主義」が初登場。日本の加害責任には今年も言及せず、過去を顧みない姿勢が一段と鮮明になった。
 安倍首相は第2次安倍政権発足後の2013~19年の式辞で、毎年「歴史と謙虚に向き合い」「歴史の教訓を胸に刻み」などと述べていたが、消えたのは初めてだ。6年連続で「戦争の惨禍を繰り返さない」と誓ったが、歴代首相が述べてきたアジア諸国への加害責任や反省は8年間、一貫して言及しなかった。
 今年は「積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えながら、世界が直面しているさまざまな課題の解決にこれまで以上に役割を果たす決意だ」と宣言。こだわりの外交・安全保障指針を8年目で初めて盛り込み、集団的自衛権の行使容認などを推し進めてきた“安倍カラー”をにじませた。
 新型コロナウイルス感染症を「乗り越える」と強調し「明日を生きる世代のために、この国の未来を切り開く」と例年通りの言葉で締めた。
 戦没者への敬意と感謝を述べた式辞の前半部分は昨年とほとんど変わらない。「私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆さまの尊い犠牲の上に築かれたものであることを忘れない」「いまだ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも忘れない」など、文面は似通っていた。
(共同)

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