戦後75年コロナ禍の全国戦没者追悼式 陛下「深い反省」、首相は加害責任に触れず

2020年8月15日 13時41分

全国戦没者追悼式でお言葉を述べられる天皇陛下と皇后さま=15日午後、東京・日本武道館


 終戦から75年を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で規模が大幅に縮小され、20府県の遺族が欠席となったが、参列者は戦没者を悼み、不戦の誓いを新たにした。天皇陛下は昨年に続き、お言葉に「深い反省」との文言を盛り込まれた。
 安倍晋三首相は式辞でアジア諸国への加害責任に触れず「積極的平和主義の旗の下、世界の課題解決にこれまで以上に役割を果たす」と述べた。首相が意欲を示す敵基地攻撃能力保有が議論されており、遠のく惨禍の記憶の継承が問われている。
 参列者数は過去最少。マスクの着用や消毒、社会的距離に配慮し、感染防止対策を取った中での式典となった。厚生労働省は初めて追悼式をインターネットで中継した。

東京・日本武道館で行われた全国戦没者追悼式。新型コロナウイルス感染症対策で座席の間隔が空けられた=15日午後(代表撮影)

 戦後生まれの陛下は天皇として2度目の参列。「深い反省」は、上皇さまが戦後70年の追悼式から毎年使っていた表現だ。今年は、コロナの困難な状況を乗り越え、平和を希求することを願うお言葉を読み上げた。一方、安倍首相は第2次政権発足後8年連続で加害責任と反省に触れなかった。今回は「歴史と向き合う」という趣旨の言葉もなかった。
 正午の時報に合わせて参列者が黙とう。父親をフィリピン・ルソン島で失った静岡市の杉山英夫さん(82)が遺族を代表し追悼の辞を述べた。
 追悼の対象となるのは、戦死した軍人・軍属約230万人と空襲や広島、長崎の原爆投下などで亡くなった民間人約80万人。参列者の中で最高齢は北海道の長屋昭次さん(93)。長屋さんの兄は終戦から4カ月後に中国で戦病死した。最年少は群馬県高崎市の中学1年井田雪花さん(12)で、曽祖父が南太平洋の島国ソロモン諸島周辺で戦死した。
(共同)

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