両陛下、国民との新たな交流を模索 コロナ専門家から意見を聞き

2020年8月16日 06時00分
全国戦没者追悼式に参列された天皇、皇后両陛下=15日、東京・日本武道館(厚労省提供)

全国戦没者追悼式に参列された天皇、皇后両陛下=15日、東京・日本武道館(厚労省提供)

  • 全国戦没者追悼式に参列された天皇、皇后両陛下=15日、東京・日本武道館(厚労省提供)
 天皇、皇后両陛下が国民と触れ合う機会が大幅に減少している。新型コロナの感染拡大が長期化し、「四大行幸啓」と呼ばれる地方訪問などの行事の延期・中止が相次いでいるためだ。活動の一部見直しも迫られる中、皇室と国民をつなぐ新たな交流の在り方を模索している。

◆今年に入り軒並み行事中止・延期

 「今は耐える時期」。13日の記者会見で、宮内庁の西村泰彦長官は、コロナ禍で両陛下が国民の前に姿を見せることのできない状況を、こう表現した。
 陛下は即位後、皇后さまとともに11府県(静養を除く)を訪れ、国民との交流を深めてこられた。昨年末には豪雨災害の宮城、福島両県へ即位後初の被災地訪問に赴き、今年2月の誕生日会見では「多くの人々と触れ合い、直接話を聞く機会を大切にしたい」と述べていた。だが、今年に入り、コロナの感染拡大に伴い、即位後初の天皇誕生日の一般参賀の中止以来、両陛下をはじめ皇族方が出席する行事は宮中祭祀や宮殿行事などを除き、軒並み中止・延期に追い込まれた。
 皇居外の行事としては約半年ぶりとなった15日の全国戦没者追悼式には、皇后さまとともに出席し、おことばを述べた。だが、年内に予定されている地方訪問はすべて延期、秋の園遊会も中止が決まっている。

◆コロナ対策専門家を招いて

 こうした中、両陛下が継続的に取り組んでいるのが、コロナ対策の専門家をお住まいの赤坂御所(東京都港区)に招いて説明を聞く進講や面会だ。4月10日に政府の感染症対策専門家会議の尾身茂副座長(当時)から全体の感染状況などを聞いたのを皮切りに、これまでに計12回、延べ28人の各分野の専門家から話を聞いた。特に、7月は5週連続で、障害者支援の団体や子どもの貧困を支援するNPOの代表者らの声に耳を傾けた。
 7月21日の接見後の会見で、貧困家庭の子どもの学習支援に取り組むNPO法人「キッズドア」の渡辺由美子理事長は「この分野に深い関心をもってもらっていることを実感した」と両陛下の印象を語った。 コロナ禍の中、より現場に近い関係者の声も吸い上げようとする試みで、側近は「両陛下は社会的に立場の弱い人たちに光を当て、尽力している関係者をねぎらいたいと考えている」と話している。(編集委員・吉原康和)

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