米大統領の郵便投票「大量無効票の恐れ」 郵政公社が警告、混乱の懸念

2020年8月18日 06時00分
米ワシントンで15日、郵政公社への財政支援反対を表明したトランプ大統領に抗議する人々=ゲッティ・共同

米ワシントンで15日、郵政公社への財政支援反対を表明したトランプ大統領に抗議する人々=ゲッティ・共同

  • 米ワシントンで15日、郵政公社への財政支援反対を表明したトランプ大統領に抗議する人々=ゲッティ・共同
 【ワシントン=金杉貴雄】11月の米大統領選で新型コロナウイルス感染拡大のため大幅増加が見込まれる郵便投票について、米郵政公社は「配達が間に合わず大量の無効票が出る恐れがある」と警告しており、選挙の正当性が疑問視され、混乱する懸念がある。公社総裁には郵便投票に反対するトランプ大統領の支持者が就任したため、批判も出ている。

◆公社総裁にトランプ氏支持者が就任

 米紙ワシントン・ポストによると、郵政公社は7月末、各州の選挙管理委員会に書簡を送付。郵便投票の急増で配達が遅れ、集計期限に間に合わず、多くの無効票が出る恐れがあると警告した。郵便投票の期限は各州が定めるが、配達にかかる時間を十分に考慮していない場合、投函された票が期限までに届かない恐れもあるという。
 書簡は、大統領選の勝敗を左右する東部ペンシルベニアや南部フロリダなどの激戦州にも送られた。こうした州で多くの無効票が出れば、敗北した側が異議を申し立てる可能性がある。
 遅れが懸念される背景には、郵政公社が巨額の赤字削減のためとして、郵便を仕分けする機械や残業を減らしている問題がある。公社総裁には、トランプ氏への巨額献金者のデジョイ氏が6月に就任したばかりで、同氏の経費削減方針に批判が出ている。
 米議会では野党民主党が郵便投票を進めるため、郵政公社を支援する250億ドル(約2兆6600億円)の予算を緊急計上するよう求めている。
 だが、再選を目指す共和党のトランプ氏は予算計上を拒否し、「不正が横行する」と郵便投票の拡大自体に反対。郵便投票は民主党支持の多い人種的少数派(マイノリティー)の投票を後押しするとされている。
 民主党は17日から、バイデン前副大統領を大統領候補に正式指名する党大会を開催するが、郵便投票を巡る共和、民主両党の攻防は激化している。民主党のペロシ下院議長は党大会開幕前日の16日、「トランプ氏とデジョイ氏の郵便サービスへの攻撃は、米国民の生命、生活、民主主義を脅かしている」と、強く反発した。

PR情報

米大統領選2020の新着

記事一覧