「あの時」図書館員が読んだ本 江戸川区で作成・配布 在宅勤務中の思い冊子に

2020年8月19日 07時09分

篠崎図書館で、冊子を手にする波多野館長=江戸川区で(区提供)

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の下、図書館員の思いは。江戸川区立篠崎図書館(篠崎町七)、篠崎子ども図書館(同三)は合同で、緊急事態宣言で臨時休館した際、在宅勤務した両館のスタッフが、どのように自宅で本と向き合ったのかを記した冊子を五百部作成し、無料で配布している。関係者は「あの時のことを共有できる記録」と強調している。 (井上幸一)
 タイトルは「図書館員が屋根のしたで読んだ本の話」。両館のスタッフ約二十人が文章を寄せた。作品のあらすじだけでなく、自身の置かれた状況と本の内容との関係や、子ども時代の回想など、さまざまなエピソード、個人的な思いがつづられた。
 あるスタッフは、何度も読んだという「日日是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」(森下典子著)に出てくる「長い目で、今を生きろ」の言葉に着目。「こんな状況の今だからこそ、私はこの本を読む意味がまさにここにあると思う」と記した。一方で、「いつものように好きなミステリーを楽しめない。(中略)日常が日常であってこそ、物語の世界を楽しめる」と、率直な思いを明かしたスタッフもいた。
 区によると、区立図書館は、緊急事態宣言の発令で四月八日に全館臨時休館となり、五月二十七日に再開。休館中は出勤者数を極力抑制、スタッフは在宅で広報紙の作成や資料の情報収集などをしていた。
 今回の冊子は四月中旬に企画され、今月一日に発行された。篠崎図書館の波多野吾紅(あこ)館長(59)は「無類の本好きたちが読書に没頭できなかったこともコロナ禍の出来事の一つ。多くの方に目を通していただきたい」と呼び掛けている。
 冊子は篠崎図書館の特集展示コーナーで配布している。二十四日は休館。問い合わせは、同館=電03(3670)9102=へ。

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