世論調査は韓国式で
2020年8月19日 07時18分
韓国では、コロナ対策が評価されて70%を超えていた文在寅(ムンジェイン)大統領の支持率が急落している。不動産の高騰や与党の醜聞も加わって40%台を割り込み、就任以来最低となった。
特に「鉄板支持層」である若者の支持離れが目立つ。すでに残りの任期は二年を切っており、「レームダック化」が始まったのではないかと、連日大きく伝えられている。
韓国では、専門調査機関が大統領への支持率調査を毎週行い、結果を公表している。
質問は、国政の遂行ぶりをどう見るか。このため、直近の発言や政策に対する評価が、リアルタイムで数字となって出てくる。
ただ、数多く行うだけに調査会社によって逆の結果が出て、正確さが論議になることもある。また、「過剰に意識するべきではない」との慎重意見も少なくない。
韓国の大統領は国政に強大な影響力を持つが、世論調査は無視できないようだ。方針を変え、新たな施策を打ち出すこともある。
一方の日本。内閣の支持率調査は月単位で行われているが、思い切って、韓国のように毎週実施したらどうだろう。
コロナ対策は迷走気味なのに、安倍晋三首相は記者会見をあまり開かない。菅義偉(すがよしひで)官房長官は、質問に対して準備した文書を読むだけのことが多い気がする。支持率調査の数字がもっと頻繁に出てくれば、緊張感が出てくると思うのだが…。 (五味洋治)
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