一九八〇年代後半、日産自動車の入社試験の面接で「GNPとは…

2020年8月19日 07時19分
 一九八〇年代後半、日産自動車の入社試験の面接で「GNPとは何か」と問われた学生が大声で、「がんばれ(G)・日産(N)・パルサー(P)」と答え、合格したという伝説があった。当時の学生なら覚えているだろう▼もちろんGNPは国民総生産。パルサーとは当時の日産の車種名なのだが、堂々とした答えっぷりで好感を得たか。実はこの話、何年か前の小欄に書いたところ、日産関連会社にお勤めの方から連絡をもらった。自分の同僚こそがその強者(つわもの)であると。なんと、事実であったのか▼経済指標としてのGNPは九〇年代にGDP(国内総生産)に取ってかわられた。そして先日のニュースである。二〇二〇年四〜六月期のGDP(季節調整値)の速報値は前期比7・8%減でこのペースが一年続くと仮定した年率換算では27・8%減で戦後最悪の落ち込みになるという▼個人消費の低迷に輸出の不振。新型コロナウイルスの悪影響はある程度、覚悟していたとはいえ、目の前に突きつけられた「戦後最悪」の文字。酷暑にも背中に冷たいものが走る▼夢のV字回復策などなかろうが、寂しいのは、この難局にどう対応するのかというメッセージが政治の側から聞こえてこないことである▼「がんばろう(G)・大丈夫(D)・ポジティブに(P)」。そんな苦し紛れの「GDP」でも国民の不安は少しは紛れように。

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