茨城県独自の感染防止システム「アマビエちゃん」 全国初、飲食店など登録を義務化

2020年8月19日 07時39分

条例案を発表する大井川知事=県庁で

 大井川和彦知事は十八日、県庁で臨時会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした県独自のシステム「いばらきアマビエちゃん」の登録を、飲食店などの対象事業所に義務付ける条例案を発表した。県の指導に応じない事業者名を公表し、県民の利用も義務化するが、罰則規定はない。県によると、新型コロナ対策で義務規定を設けた条例案は全国で初めて。(出来田敬司)
 県は九月四日開会の県議会九月定例会に提出、遅くとも十月上旬の施行を目指す。
 「アマビエちゃん」は、事業所が県のホームページ(HP)のフォームに業種や店舗名、感染防止のための具体的な取り組みなどを記入して登録。利用客が事業所に掲示された「感染防止対策宣誓書」のQRコードをスマートフォンなどで読み取ってメールアドレスを登録すると、同じ日にその事業所で感染者が出た際に通知が届くシステムだ。
 登録を義務づけるのは、施設内で密になりやすかったり、過去にクラスター(感染者集団)が発生したりした業種で、具体的には飲食店、キャバクラ、パチンコ店、スポーツクラブ、ホテル、理美容店、結婚式場などが当てはまる。
 県が指導しても、登録や宣誓書の掲示に応じない場合は事業所名を公表する。当初、違反した場合に過料を科すなどの罰則付きも検討したが、県議会最大会派「いばらき自民党」から異論が出て外した。
 一方、登録を促すため、登録事業所に対しては感染防止対策にかかった経費の一部を助成する。また、利用客には、アマビエちゃんを登録したり、店の感染対策の評価などをしたりした場合、抽選で県産品をプレゼントする。

県庁の食堂に掲示されている感染防止対策宣誓書=水戸市笠原町で

 大井川知事は「第一波の時は、県民に一律の外出自粛を要請することで社会・経済活動の停滞を招いた。施設や店舗の感染対策と情報発信の徹底の取り組みのため、アマビエちゃんを導入した」と説明。その上で「今回、条例化することで県民や事業者に登録するインセンティブ(動機づけ)としたい」と述べた。
 条例案ではほかに、感染経路や範囲を把握するため、県民が行動履歴の調査に協力する▽事業所がローラー作戦など広範囲な検査に応じる−ことも全国で初めて義務付ける。さらに、感染者や医療従事者などへの不当な差別を禁止する規定も盛り込んだ。
 県は、県民対象の検査件数を一日五百件(七月末現在)から千百件に拡充したり、差別禁止のポスターや動画、教育用のテキストを作成したりして、条例の実効性を高める。
 この条例案の正式名は「県新型コロナウイルス感染症の発生の予防又(また)はまん延の防止と社会経済活動との両立を図るための措置を定める条例」案。三十一日まで、県民からの意見を募るパブリックコメントを実施する。

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