「ひどいお役所仕事」非難の声…次世代住宅ポイント「空白の6日間」

2020年8月20日 06時00分
 新築住宅の購入契約者らに国が支給する「次世代住宅ポイント」の制度を巡り、食品などと交換できるポイントを受け取れない人が出ている。政府は3月末までの契約で終了していたこの制度を8月末まで実質延長しているが、それを決めたのが緊急事態宣言を出した4月7日だったため、4月1~6日の契約者は対象から外れた。有識者からも「理不尽だ」との指摘が出ている。 (池井戸聡)

◆4月1~6日の契約だけアウト

 「たった1日の違い。意味が分からない」。4月6日に新築一戸建て住宅の売買契約を結んだ20歳代の女性は悔しそうに話す。
 兵庫県在住の女性は2月、夫と建売住宅の購入を決断。3月中の契約を目指したが、新型コロナウイルスの影響で業者と書類のやりとりができず、契約は4月6日になった。
 4月1~6日の契約者数は不明だが、本紙の「あなた発」には「ひどいお役所仕事だ」との声が寄せられ、国土交通省にも抗議の電話があったという。インターネット上にも問題視する投稿が多く、実際に恩恵を受けられない人も少なくなさそうだ。

◆政府は「これが一般的」

 ポイントが付与されない「空白の6日間」はなぜ生まれたのか。国交省の担当者は「対象の契約は、政策の決定日以降に合わせるのが一般的」と説明。ポイント付与の実質延長を決めたのが4月7日で対象の契約日も決定日より前にさかのぼらない、という考え方だ。
 決定日を4月1日以前にすれば問題が起きなかった可能性があるが、4月7日にしたのは政府が緊急事態宣言を出し、企業への給付金など緊急経済対策を閣議決定した日だからだという。担当者は「住宅ポイントはあくまで経済対策とセット」と主張する。

◆さかのぼりの例もある

 だが、元経済産業省官僚の古賀茂明氏は「遅く契約した人の方が優遇されるのはおかしい。時期をさかのぼり国民に負担などを課すのはいけないが、利益の供与なら問題ない」と国交省の決定を批判する。
 実際、政府は6月、従業員を休ませた企業に支給する「雇用調整助成金」の日額上限を、4月1日にさかのぼり8330円から1万5000円に引き上げることを決めている。古賀氏は「国民に寄り添えば(4月1~6日の契約者へのポイント付与は)どうにでもなる」と指摘する。

次世代住宅ポイント 消費税率引き上げ後の住宅需要減を防ごうと国が導入した制度。環境や耐震などに配慮した住宅の購入者らに食品や家電製品などと交換できるポイントを最大35万ポイント(35万円相当、一部リフォームは上限を引き上げ)を付与する。当初は今年3月末までの契約が条件だったが、新型コロナウイルスの影響で、それまでに契約できなかった場合は4月7日~8月31日の契約でもポイントの付与を決めた。予算額は1300億円で、今年7月末現在、約708億ポイントを発行。

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