100年先まで残す「戦争の記憶」 早川洋平さん、空襲体験者らの肉声の証言をネットで配信 

2020年8月20日 13時50分
戦争証言を記録しネットで発信している早川洋平さん=本人提供

戦争証言を記録しネットで発信している早川洋平さん=本人提供

  • 戦争証言を記録しネットで発信している早川洋平さん=本人提供
 「プロインタビュアー」を名乗り、インターネットで音声を配信する「ポッドキャスト」のコンテンツを制作する会社を運営してきた横浜市の早川洋平さん(40)は、戦争証言をネットで配信する活動に取り組んでいる。「これからも地道に声を集めていきたい」と意気込む。
 「肉声なら100年先でも残せる。戦争体験者にインタビューをすべきではないか」。顧客や知人から2013年に同じようなアドバイスを受けた。
 当時は広島市に住み、原爆に向き合わなければならないと思いながらも重い腰が上がらずにいた。「自分の使命かもしれない」と感じ、その年の夏にインタビューを始めた。広島で被爆し米国で治療を受けた「原爆乙女」として知られる笹森恵子さんに話を聞き、プロジェクト「戦争の記憶」として配信した。
 その後は自分の親族や企画を知った人に証言者を紹介してもらい、取材を続けた。今月までに東京大空襲やシベリア抑留などを経験した25人の肉声を公開した。
 フィリピン・レイテ沖の海戦で2度も軍艦が撃沈され、大海原に投げ出されて漂流した体験を語ってくれた大伯父は「恐怖はなかった。海軍の体罰の方が怖かった。気合を入れるため、取って付けたようなことを理由に拳で頬を殴られたり、約2メートルの棒で尻をたたかれたりした」と話した。
 「優しいおじさん」という印象しかなかったが、苦労を全く見せない「強い人」だと思うようになった。大伯父は18年1月に亡くなったので、「この機会がなければ聞けなかったかもしれない」。
 肉声の良さはリアリティーを持って伝えられること。ほとんど手を加えない分、史実と異なる内容や記憶が曖昧な部分もある。でもそこも含めて「こういう人生があったんだ」と知ってほしいと思う。
 「大した経験じゃない」と断ろうとする人もいたが、説得して話を聞かせてもらっている。「生き残った人が口にする言葉は1つ1つに重みがあり、『命のバトン』を受け取った気がしている」
(共同)

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