「旧韮塚製糸場」来月復活 観光の拠点・富岡製糸場、見学券販売など

2020年3月29日 02時00分

オープンを待つ旧韮塚製糸場=富岡市で

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産「富岡製糸場」(富岡市富岡)の正門近くにあり、市が整備を進めていた「旧韮塚製糸場」が四月一日にオープンする。明治初期の民間器械製糸場では県内で唯一現存する建物で、市が「歴史的価値が高い」として保存修理を行ってきた。富岡製糸場の見学券販売や周辺地域の観光案内、街中周遊の拠点として生まれ変わる。 (石井宏昌)
 施設は木造二階建て、延べ床面積三百五十三平方メートル。繭を煮る作業で出る大量の蒸気を換気するための越屋根(こしやね)を復元するなど、操業当時の外観に整備した。建物内には、発掘調査の成果などから旧韮塚製糸場を紹介するコーナーや休憩所、トイレ、管理事務所なども設けられる。
 市によると、韮塚製糸場は一八七六(明治九)年、埼玉県深谷市出身の韮塚直次郎が創業した。直次郎は幼少期、富岡製糸場の初代場長だった尾高惇忠の実家で、家族で住み込み使用人兼職人をしていた。
 富岡製糸場のれんが製造や資材調達を請け負うなど建設に携わるようになり、同製糸場を模範として当時の最新の設備や技術を導入して韮塚製糸場を開業した。だが操業期間はわずか三年程度だったという。
 閉鎖後、長屋住宅などに使われたが、二〇一四年に富岡製糸場が世界遺産に登録後、市が取得して一七年度から整備工事を行っていた。
 市は「韮塚製糸場の果たした役割を発信し、富岡製糸場へのアプローチの場として利活用することで、さらに文化的価値を高めたい」としている。

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