米国が対イラン制裁再発動に着手 英独仏は不支持を表明

2020年8月21日 14時00分
 【ニューヨーク=杉藤貴浩、カイロ=蜘手美鶴】米国は20日、国連安全保障理事会に対し、イランが2015年の核合意に違反したとして、同国への安保理制裁の再発動を求める手続きを始めた。米国が安保理に提出したイランへの武器禁輸を延長する決議案が否決されたのを受けた措置。
 ただ、米国は18年に核合意から離脱しており、制裁再発動を求める根拠を失ったとの見方が根強く、実現性は不透明だ。
 イランへの武器禁輸は、10月に期限切れを迎える。ポンペオ米国務長官は同日、米ニューヨークで記者団に「イランが武器を自由に売買することを決して許さない」と述べた。
 米国が求める武器禁輸などの制裁の再発動は、欧米など6カ国とイランによる核合意に基づく措置で、イランに合意違反があった場合に参加国が通知し、30日後に実行される可能性がある。
 実現すればイランの反発などで核合意が崩壊する懸念が高まる。英独仏は「安保理の分裂を深める行為を控えるよう求める」として米国の措置への不支持を表明した。
 ロイター通信などによると、イランのザリフ外相は、安保理の議長国宛ての書簡で、米国には手続きを開始する権利がないことを強調し、安保理各国に米国の要求を断るよう求めた。書簡では「国連に制裁再開を迫ることは、重大な結果をもたらす」と述べており、「国際社会が米国の違法な要求に立ち向かう番だ」としている。

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