<解説>ルーズベルトに自ら重ね合わせ 主語は「We」 バイデン氏受諾演説

2020年8月21日 13時44分
20日、米東部コネティカット州ハートフォードの野球場で、中継されたバイデン前副大統領の演説を見る聴衆=AP・共同

20日、米東部コネティカット州ハートフォードの野球場で、中継されたバイデン前副大統領の演説を見る聴衆=AP・共同

  • 20日、米東部コネティカット州ハートフォードの野球場で、中継されたバイデン前副大統領の演説を見る聴衆=AP・共同
 3度目の挑戦で米民主党の大統領候補指名を勝ち取ったジョー・バイデン前副大統領にとって、国民を説得できるかが試される政治人生で最も重要なスピーチとなった20日の指名受諾演説。初日から国民と結束して危機に立ち向かう指導者像を前面に打ち出し、支持を呼び掛けた。
 新型コロナウイルスの感染拡大による死者数は17万人を超え、経済成長率、失業率ともに歴史的な悪化が続き国民は疲弊している。構造的な人種差別が経済格差を一層拡大し、社会の分断は4年前にトランプ大統領を選んだ時以上に深まっている。未曽有の国家危機のさなか、バイデン氏は世界恐慌と第2次世界大戦の危機に立ち向かうため、国民を鼓舞したフランクリン・ルーズベルト大統領に自らを重ね合わせた。
 演説では、常に「We(私たち)」を主語に語り掛けたのが特徴的だ。一方でトランプ氏の政治姿勢を「独裁的だ」と批判。この日もバイデン氏の出生地で、勝敗を分ける激戦州でもある東部ペンシルベニア州に乗り込み、バイデン氏を「鈍いジョー」とののしるなどトランプ氏が敵対姿勢をあらわにする中、国民に寄り添う「大統領らしさ」をアピールする狙いがあったとみられる。
 通常なら受けるであろう数万人からの喝采もブーイングもない、バーチャル空間を通じた異例の呼び掛けは国民に届いたのか。バイデン氏の文字通り手探りの戦いが始まった。(ワシントン・岩田仲弘)

PR情報

米大統領選2020の新着

記事一覧